台湾小売業界のマーケットシェアを公開!台湾の大手企業はどんな企業?

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今回は台湾の小売業のマーケットシェアをご紹介します。

データは「未来流通研究所」がまとめた2019年の数字です。

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、EC、百貨店、家具店など、業界別のマーケットシェアを公開します。

この記事を読めば台湾の大手企業を業界別に知ることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参照元の記事:【商業數據解讀】台灣零售、電商市佔率英雄榜

 

【未来流通研究所】台湾の小売業マーケットシェア 2019年

 

①百貨店業界のマーケットシェア2019

1位:新光三越 21.3%

2位:遠東百貨 12.4%

3位:SOGO 12.1%

4位:微風 6.7%

5位:台北101 4.0%

その他:43.6%

マーケット規模:3553億元

1位に輝いたのは新光三越でした。新光三越は台湾の新光グループと日本の三越グループが出資してできた企業です。2位は台湾企業である遠東百貨、3位は日本企業であるSOGOとなります。

1位〜3位の顔ぶれは毎年変わりませんが、4位の微風は独特な商品ラインナップで近年売上を伸ばしています。また、CITYLINKや各アウトレットモールも人気を伸ばしており、下位グループの追い上げが見られます。

 

②コンビニのマーケットシェア2019

1位:統一(7-11) 47.7%

2位:ファミリーマート 22.3%

3位:萊爾富 6.5%

4位:OK 3.1%

その他:20.4%

マーケット規模:3316億元

台湾のコンビニ界で圧倒的なシェアを誇っているのが7-11とファミリーマートです。特に7-11はファミリーマートの2倍程度のシェアを誇っており、台湾の街を歩いていると常に店舗が視界に入るほどです。

7-11はその圧倒的な店舗数により他には真似できないコストカットを実現しています。それにより大きな利益を生み出し、さらにシェアを拡大するという好循環に入っています。

ただ、ファミリーマートも2017年の20.5%から2019年には22.3%にシェアを伸ばしており、現在は過去最高の株価を実現しています。

 

③量販店のマーケットシェア2019

1位:コストコ 40.0%

2位:カルフール 33.9%

3位:大潤發 12.7%

その他:13.5%

マーケット規模:2101億元

台湾の量販店業界はコストコ(米国企業)やカルフール(仏国企業)などの外国企業がシェアを握っています。

これは私の分析になるのですが、台湾は親世代と同居している大人数世帯が多いため、一度に大量に食材を購入する必要があり、コストコやカルフールなどの外資系量販店が好まれる傾向にあると考えられます。

なお、コストコは2017年から少しだけシェアを落としており、逆にカルフールはシェアを伸ばしています。今年度、カルフールは頂好やJASONSなどを買収し、台湾の小売業界での存在感を強めています。

 

④スーパーのマーケットシェア2019

1位:全聯 62.6%

2位:頂好 6.3%

3位:美聯社 5.8%

その他:25.4%

マーケット規模:2078億元

この業界では全聯が1位を独走しています。

全聯はかつて軍人・公務員・教職員などに対して商品を販売する中華民国消費合作社全国聯合社(軍公教福利社)というスーパーでした。1998年に民営化を行い、当時の経営陣の努力により台湾No.1のスーパーへと成長を遂げた過去があります。

 

⑤家電販売店のマーケットシェア2019

1位:燦坤 7.9%

2位:全國電子 7.4%

3位:順發電腦 1.6%

その他:83.1%

マーケット規模:2379億元

この業界はトップの燦坤であってもシェア10%を超えず、中小企業が多く存在する状態となっています。

ただ、2位全國電子の成長率は高く、今後トップの燦坤を抜いてシェアをさらに拡大していくと言われています。

関連する過去記事:【2019年】台湾人が日本旅行で買いたい家電製品10

 

⑥ECのマーケットシェア2019

1位:momo 24.9%

2位:PChome 17.5%

3位:東森得易購 9.8%

4位:博客來 3.1%

5位:創業家兄弟 2.3%

その他:42.4%

マーケット規模:2078億元

momoは現在台湾の小売業界で最も成長率が高い企業と言われています。

2017年のシェアは19.7%でしたが、2019年にはシェア24.9%になりました。

コロナの影響もあり、現在最も伸びているのがこのEC業界です。

今後の動向から目が離せません。

関連する過去記事:台湾大手EC企業5社の紹介、各社の売上・成長率・売れてる商品の傾向

関連する過去記事:台湾EC業界トップのmomo、コロナ禍で過去最高の売上を記録。その施策とは?

 

⑦ドラッグストアのマーケットシェア2019

1位:屈臣氏 8.6%

2位:寶雅 8.0%

3位:康是美 5.8%

4位:大樹 3.4%

5位:杏一 2.6%

その他:71.7%

マーケット規模:1981億元

1〜3位はドラッグストアであり、4〜5位は薬品や医療機器の販売店です。

この業界の売上は過去10年の年成長率は約2.5%であり、不調の専売小売店においては例外的に調子がいい業界となります。

関連する過去記事:【2019年】台湾人が日本旅行で買いたいドラッグストアの商品9

 

⑧家具・生活雑貨のマーケットシェア2019

1位:特力屋 7.6%

2位:無印良品 2.7%

3位:ニトリ 1.2%

その他:88.5%

マーケット規模:1963億元

こちらも中小企業が林立する業界です。

2位と3位に日系企業がランクインしており、日系商品の根強い人気が分かります。

 

以上、今回は台湾の小売業界のマーケットシェアについてでした。

参照元の記事:【商業數據解讀】台灣零售、電商市佔率英雄榜

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