台湾の新興テック企業がすごい！「スタートアップアイランド台湾」とは？
2023年9月14日から15日にかけて、東京渋谷にて第二回日台スタートアップサミット「Together, Go Big」が開催されました。このサミットには台湾のスタートアップ企業41社、東京副都知事、前経済産業大臣、ジェトロ理事などが参加し、日台の連携及び事業育成、第三国での事業展開について話し合いました。
近年、台湾は国をあげてスタートアップ企業の育成に力を入れており、若手起業家の支援制度を充実させています。台湾企業の日本での事業展開、日本での株式上場、日本企業との提携などの例も増えているため、今回は台湾のスタートアアップ事情について詳細をお伝えいたします。
【目次】
第二回日台スタートアップサミット「Together, Go Big」
冒頭でも触れた通り、9月14日から15日にかけて東京渋谷にて第二回日台スタートアップサミット「Together, Go Big」が開催されました。
近年の日台連携は、デジタルトランスフォーメーション（DX）、グリーントランスフォーメーション（GX）、情報セキュリティと防衛などの分野に特に注力しています。例えば、見慣れない番号からの電話を識別するソフトウェア「Whoscall」を開発した Gogolook が、渋谷区役所と詐欺防止で協力するなどの事例がすでにあります。
今後は、上記のような日台連携がより進み、さらには日台共同で第三国に事業展開をしていく計画もあるようです。
「スタートアップアイランド台湾」とは？
2016年の蔡英文政権発足当時から台湾は「スタートアップアイランド台湾」という国家プロジェクトに力を注いでいます。
1980年代から大きく成長を遂げた半導体事業のように、新興テクノロジー分野（AIやIOT）におけるスタートアップ企業を育て、世界に対しイノベーティブな影響を与えることを目標としています。
政府が推進する施策としては以下のようなものがあります。
①投融資の加速・拡大
- エンジェル投資額を段階的に100億元（約470億円）まで拡大
- 起業家向けに600億元（約2800億円）の融資を準備
- 企業から新興企業への投資に関する新制度を確立し、エンジェル投資に関する税制優遇及び緩和を予定
②海外人材の呼び込み・連携
- 台湾に国際的な専門家を呼び込む制度を強化し、新興企業に必要なスキルを持つ専門家を台湾に誘致
- 新興企業向けに海外研修プログラムを提供し、国際的なイノベーションの最新動向を学ぶ機会を提供
- 新興企業の法規に関する疑問を解消し、イノベーションの促進をサポート
③制度面の充実
- 2021年末までにイノベーションマーケットを設立し、新しいビジネスモデルや成長潜在性を持つ企業の上場を奨励
- 企業の新興企業買収を促進するために、企業併合法を改正
④ベンチャーブランドの強化とビジネスチャンスの開拓
- 主要な新興企業が海外企業やベンチャーキャピタルなどのリソースにアクセスできるようサポート
- “スタートアップアイランド台湾” のブランドを強化し、台湾の新興企業を国際的に宣伝する取り組みを実施
- 新興企業の調達プロセスを改善し、新しいビジネス機会を拡大
台湾の有力スタートアップ企業の一部をご紹介
それでは現在台湾で注目を浴びている新興企業にはどのようなものがあるのでしょうか？
日台スタートアップサミット「Together, Go Big」に参加した企業の中から、特に注目を浴びている8社をご紹介させていただきます。
①TapPay
TapPay
TapPay（Cherri Tech, Inc.）は2015年創業のフィンテック企業です。
決済ブランドと個別の契約を締結する必要がなく、TapPayのアカウントを申請するだけで決済の関連付け、キャッシュフローの統合、リスク管理などの多彩なサービスを利用できます。
2018年にはアジア太平洋地域でVISAとMastercardのセキュリティコードパートナーとなり、コンサルティング会社KPMGから世界のフィンテック企業トップ100の1つに認められました。
②KKday
KKday
KKdayは2014年創業の旅行関連企業です。
KKdayは、旅行に関するアクティビティや現地ツアーのオンライン予約を扱うウェブサイトおよびアプリを運営しています。
③FunNow
FunNow
「FunNow」は東アジア最大級の予約プラットフォームを運営しています。
最短で15分前にレストラン、バー、宿泊、温泉などを即予約でき、決済まで済ますことができます。
④東聯互動（EUi）
東聯互動（EUi）
東聯互動は2016年創業のフィンテック企業です。
東南アジア方面の市場を積極的に開拓しており、国際送金、ローン、電子マネーなどの業務を進めています。
⑤Gogolook
Gogolook
Gogolookは2012年創業の企業であり、膨大なビッグデータと最先端のAI技術を駆使して詐欺防止サービスを提供しています。
「Whoscall」は発信者番号通知・迷惑電話/メール防止のアプリであり、Gogolookの他のサービスと合わせて、世界中で100億件以上の詐欺電話や詐欺メッセージをブロックしています。
⑥奧義智慧（CyCraft）
奧義智慧（CyCraft）
奧義智慧は最先端のAI技術を使い海外からのハッキング攻撃を防ぐ情報セキュリティサービスを提供する企業です。
日本では日立システム、三菱総研、ITFORを始めとする数多くの上場企業と既に提携し事業を進めています。
⑦Cubo AI
CuboAi
Cubo AIは、カメラにAI技術を搭載し乳幼児の危険な行動を監視するテクノロジーを提供しています。
また、アプリを使って家族の幸せな瞬間を記録するサービスも提供しています。
⑧iKala
iKala
iKalaはインフルエンサーデータベース及びAI技術を活用し、企業のSNSや広告やメディア活用に関するサービスを提供しています。
参考資料：第2回日台スタートアップサミットが渋谷で開催、台湾スタートアップ41社が参加
参考資料：【日台新創高峰會直擊】41家台灣新創赴日找商機，國發會、JETRO如何看雙邊合作？