「日本人が外国人とビジネスする際に気をつけること」というテーマの記事をよく目にします。
しかし「外国人が日本人とビジネスする際に気をつけてること」という逆の記事はあまり目にしません。
一つの物事を違う角度から見てみると新しい発見があります。
今回は台湾メディアの記事を引用しつつ、”日台ビジネス”を台湾人の角度から見ていきます。
台湾人が日本人とのビジネスで気をつけていること
まず謝ること
ある日本事情に詳しい台湾人は、日本人のクライアントや上司が不満を表しているときは、たとえ自分に過ちがなくてもまず先に謝るべきであると述べています。
台湾では自分に過ちがなければ謝らないことが一般的です。たとえクライアントや上司が相手でも、先に謝ってしまうと自分が不利な立場になってしまうと考えるからです。
日本では「謝る=素直で謙虚」のようなポジティブな印象がありますが、台湾では「謝る=誤りを認める」ということになり必ずしもポジティブな印象で終わるとは限りません。
もちろん台湾ではそのぶん関係がギクシャクすることもありますが、あくまでも事実に基づいて態度を表明しているだけなのです。
真面目で礼儀正しい態度を忘れないこと
ある日本事情に詳しい台湾人は、日本人の前では真面目で礼儀正しい態度を忘れてはいけないと述べています。
具体的には、「お世話になっております」のような挨拶は必須であり、仕事中も努力している態度を見せることが重要であるとのことです。
また、そうした態度をとることによって、自分が間違いをおかした時も容易に許してもらえるようになると述べています。
私は台湾の企業で働いていたことがありますが、台湾人があまり挨拶をしないのは事実です。
仕事中の態度も重視せず、仕事を終わらせさえすれば文句を言われませんでした。
日本語を使うこと
ある台湾人は、日本はテクノロジーが発達した先進国だが日常的な英会話ができないと述べています。
英語でメッセージを送っても返信がないことが多く、日本人とのコミュニケーションでは必ず日本語を使う必要があるそうです。
最初は人の紹介を通して知り合い、会社のアカウントで連絡をとること
台湾ではFacebookやLinkedINを使っていきなりメッセージを送りビジネスの取引が始まることがあります。
また、会社のメールアドレスではなく個人のE-mailやLINEで業務上の連絡をとることもあります。
しかし日本では業務上の連絡は必ず会社のアカウントを通します。
ある台湾人は、日本人とビジネスしたい場合は必ず知人の紹介を通して知り合い、会社のアカウントを使って連絡をとるよう勧めています。
日本企業は決断に時間がかかることを覚えておくこと
ある台湾人は、日本企業は全体の一致を大切にするため決定に時間がかかると述べています。
例えば日本企業の台湾支社と商談をする場合、台湾支社は日本の本社に確認をとってから決断を下します。
台湾人からしたらとても小さな変更やお願いにも本部の同意を求めるのは少しやりすぎと感じることがあるようです。
台湾と日本では仕事の進め方やスピード感が違うため、このことを知っておく必要があるということなのでしょう。
また、この台湾人は、日本企業は一度一致したら進展スピードが非常に早いとも述べています。
日本特有のビジネスマナーを覚えておくこと
日本には常識とされているビジネスマナーが非常に多いです。
名刺の渡し方、名刺の置き方、名刺をしまうタイミングなどなど、名刺一つとってもマナーが多いです。
一方、台湾人の名刺の扱いは非常にラフです。
自分の名刺は片手でぽいっと渡して、相手から名刺を受け取ったらすぐに名刺入れに入れてしまいます。
別に悪気があってラフな態度をとっているわけではありません。
本当に名刺に関するマナーが存在しないだけなのです。
ただ、台湾人も日本のマナーを守らないと日本人を不快にさせてしまうことを知っています。
ある台湾人は「日本人と仕事がしたいなら、日本のビジネスマナーはしっかり覚えておこう」と述べています。
最後に
日本人にとって当たり前の行動やマナーが外国には存在しないこともあります。
相手は日本人のマナーをしっかり予習し非常に気を遣ってくれている可能性すらあります。
今回のような”外国人から見た日本人”の文章は、時に私たちに新しい気づきを与えてくれます。
参考記事:懂了這些,你和日本人做生意沒問題(これらを理解しておけば、日本人とのビジネスは問題ない)
参考記事:我在日本打工體驗,日本職場沒你想像的可怕(日本でのバイトを経験しました。日本の職場は思うほど怖くない。)
参考記事:打電話、發mail、親自拜訪都無效!跟日本人做生意,為什麼那麼難?(電話、Email、直接訪問は効果なし!日本人とのビジネスはなぜこんなにも難しい?)