2020年より台湾では5Gの運用が始まっています。
それに合わせて、台北市では5G技術を活用した無人バスの運用も始まりました。
世界的に5Gやロボットの活用が増える中で、台湾での活用はどのようなものなのでしょうか?
今回は台北市の無人バスについてご紹介します。
【目次】
台北市無人バスの背景
台湾では2020年6月末から5Gの運用が始まっており、それに合わせて様々な施策が行われています。
2020年5月より、台北市政府は「台北市信義路公車專用道自駕巴士創新實驗計畫」という計画の元、台灣智慧駕駛(以下、台智駕)と協力し、1年間の夜間自動テスト運転を行なっています。
遠傳(台湾の通信会社)の5Gを利用し、V2Xや車内映像分析などの技術を導入しており、テスト初期は時速10〜20kmで乗客なし走行をしていました。
テストの結果問題がなかったため、9月より一般乗客にも開放しています(要予約→コチラから)。
関連記事:台湾、複数の通信事業者が2020年6月末より5Gの運用を開始
台北市無人バスのルートと運行時間
![台北市無人バスのルート](https://notes.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/f13d85d403992ab2a8ddfeb95a2de448-300x147.png)
台北市無人バスのルート(JoBusのサイトより)
現在、ルートは合計6つあります。
主に台北市中正区、大安区、信義区などの都心エリアを走っています。
ルート①:台北101→信義敦化
ルート②:信義敦化→信義新生
ルート③:信義新生→信義杭州
ルート④:信義杭州→信義新生
ルート⑤:信義新生→信義敦化
ルート⑥:信義敦化→信義光復
運行時間は夜中の12時から2時30分まで。
主にバス専用車道を走っており、車内には無人走行を見守る人員が配置されています。
台北市無人バスの技術
![台北市無人バス(JoBusのサイトより)](https://notes.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/12fd7d1408220d35a2ce0093339b73c4-300x289.png)
台北市無人バス(JoBusのサイトより)
車体は全台湾の大部分の電動バスを製造している創奕能源のものを使用しています。
また、車線維持制御システムは奕兆緑能が、図書情報は興創知能が、感知器は自動車関連電子機器の輝創が担当しています。
その他、自動運転車のコンピュータープラットフォームはNvidia Driveのものを採用しています。
台北市無人バスのソフトウェア開発を担当する台智駕はこれら各方面のソフトウェアシステムを統合しました。
V2X(Vehicle-to-Everything)により交通事故減少に期待
V2XはVehicle-to-Everythingの略字です。
これは、車と車、車とインフラ施設、車と人、車とバイクなど、車と様々なものをインターネットで結びつけるという意味です。
衝突するであろう車両同士が前もって信号を送り合い、衝突前に速度を落とし、事故を回避することができます。
台湾は交通事故が非常に多いです。
台湾の年間交通事故件数は40万前後で、一方、日本の年間交通事故件数は40〜50万です。
ざっくりとした計算になりますが、台湾と日本は人口が約5倍違うので、台湾の交通事故発生率は日本の約5倍多いと言えます。
V2X技術の導入により交通事故を減らすことが期待されているのです。