韓国のアマゾン「Coupang」が台湾市場に上陸!営業戦略はいかに?

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韓国のアマゾン「Coupang」が台湾市場に上陸!営業戦略はいかに?

 

韓国のアマゾンと呼ばれている「Coupang」という会社があります。

2018年11月にソフトバンクから20億米ドルの出資を受け、2021年3月11日にニューヨーク証券取引所に上場したことで、日本でも話題になりました。そして、2021年6月には台湾市場に参入し台湾でも話題となっています。

台湾はEC業者やデリバリー業者の激戦区であるため、Coupangの営業戦略が注目されています。果たしてCoupangは台湾市場でどのように事業を広めていくのでしょうか?ここでは台湾メディアの記事を参考にしつつ詳細をまとめました。

 

韓国のアマゾン「Coupang」とは?

はじめにCoupangの特徴を確認しておきましょう。

会社名:Coupang(クーパン 、朝鮮語: 쿠팡)

設立:2010年

事業内容:eコマース企業(韓国最大のオンライン小売業者)

年間収益:40億米ドル以上

特徴:注文の99.6%が24時間以内に配送される「ロケットデリバリー」が好評

拠点:ソウル、北京、上海、ロサンゼルス、マウンテンビュー、ニューヨーク、シアトル

その他:2018年11月にソフトバンクが20億米ドルを出資、2021年3月11日にニューヨーク証券取引所に上場

 

Coupangの台湾での営業戦略は?

coupangは2021年6月に台北市中山区に倉庫付きの営業拠点を設置し台湾での業務をスタートさせました。

coupangは元々はECサイト運営企業ですが、台湾では生鮮食品のデリバリー業務から始めています。

現在Coupangは中山区(※)限定で配送を行なっており、最低購入金額を設定せず、配送費用は19元としています。

Foodpandaは台北圏内では最低購入金額を99元以上と設定しているので、この点に関してはCoupangの方が有利と言えます。

また、Coupangは決済から10〜15分以内に自宅に配送することを強調しており、Foodpandaなど他社競合は30分ほど時間を要するため、時間の点から見ても有利と言えます。

その他、Coupangは最近台湾でも人気が高まっている本場韓国食品の販売に力を入れており、商品のラインナップという点から見ても他社との差別化を図っています。

※中山区・・・台北で最も栄えたエリアの一つです。台北駅からはMRTで1駅で、百貨店、ホテル、飲食店が立ち並ぶ繁華街です。住民も多くデリバリー需要があります。

 

Coupangはなぜ台湾でまず生鮮食品配送サービスを始めたのか?

Coupangは韓国最大のECサイト運営企業です。

韓国国内に100の物流センターを有し、スタッフは計4万人以上であり、韓国の人口の7割がCoupangの物流センターから11km以内の場所に住んでいます。

そのため商品を配送するスピードが速く「ロケットデリバリー」と呼ばれています。韓国の消費者によると、夜10時までにネット上で決済をすれば、たとえ週末であろうとも翌日には必ず商品が届くといわれています。

韓国国内ではECサービス以外に、ロケットフレッシュ(Rocket Fresh)と呼ばれる生鮮食品の配送サービス、クーパンイーツ(Coupang Eats)と呼ばれるグルメ配送サービス、クーパンペイ(Coupang Pay)と呼ばれる支払いサービスなども行っています。

では、Coupangはなぜ台湾で先にECサービスを広めようとせず、生鮮食品の配送サービスから始めたのでしょうか?

まず、ECサービスを行うには巨額の投資をして数万坪クラスの物流センターを設置する必要があり、食品配送サービスは数百坪クラスの倉庫拠点があれば営業を開始することができるので、すぐに台湾市場に入り込むことができると言われています。

また、ECサービスを行う場合は大型トラックを準備する必要がある上にトラック運転資格を持った配送員の採用も必要になりますが、生鮮食品であればバイクで配送することができるので初期投資もそこまで必要になりません。

これらの理由からCoupangは素早く始められる生鮮食品デリバリーからスタートし、配送スピードで他社との差別化を図って事業規模を拡大していくという戦略をとっているのです。

 

専門家「Coupangの強みは多くはない」

商業発展研究院国際デジタルビジネス研究所所長の戴凡真氏は「今のところCoupangの台湾における強みは多くない。台湾のEC業界には楽天、Uber、Foodpanda、momo、PChomeなどの古参者がおり、新参者は価格やクーポンなどで対抗するしかない。Coupangに何か特別なプロモーション戦略や話題性がない限り、台湾でシェアを拡大するのは難しい。」と述べています。

とはいえCoupangは現在勢いがある企業であり、関係者から注目を浴びています。Coupangの参入により競争が激しい台湾市場にどのような変化がもたらされるか目が離せません。

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参照元:Coupang突襲來搶市,台灣外送雙雄該擔憂嗎?韓國電商巨頭登台動機在這裡(Coupangが市場シェアを奪いに来た!台湾デリバリー業界の二大企業は心配?韓国Eコマースの挙動が台湾に上陸する動機は?)

https://b.tpcpn.jp/475/BRJMMM/pc

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