台湾の都市別経済指標(人口推移、年齢構成、平均所得、世帯収入、就業人口など)

コラム 台湾

台湾の都市別経済指標(人口推移、年齢構成、平均所得、世帯収入、就業人口など)

 

台湾の都市別経済指標(人口推移、年齢構成、平均所得、世帯収入、就業人口など)

台湾の都市別経済指標(人口推移、年齢構成、平均所得、世帯収入、就業人口など)

台湾の大都市といえば真っ先に思い浮かぶのが台北です。

首都機能があり、経済規模も最大で、名実ともに台湾No.1の都市と言えるでしょう。

しかし、当然ですが台湾には台北以外の大都市も存在します。

人口規模から見ると台湾は一極集中とはいえず、その他の大都市の発展も目を見張るものがあります。

よって今回は台湾の地方都市の基本的なデータをまとめてみました。

※この記事では台北、新北、台中、台南、高雄の5都市にフォーカスをあてています。

※2022年12月時点で1台湾元は約4.3円です。

 

台湾5大都市の人口推移

2020年 2017年 2010年
台北市 260.2万 268.3万 261.8万
新北市 403.0万 398.5万 389.7万
台中市 282.0万 278.3万 264.8万
台南市 187.4万 188.6万 187.3万
高雄市 276.5万 277.6万 277.3万

2020年の最新データでは、台湾で一番人口が多い都市は新北市であり、二番目に人口が多い都市は台中市となっています。

10年前までは台湾第二の都市といえば高雄市でしたが、近年は台北へのアクセスの良さが評価され台中に人口が集まっています。

台北市と新北市の関係は東京23区と23区以外の関係に似ています。

台北市と新北市をあわせて「大台北圏」としてセットで見ることが多いです。

「大台北圏」の人口は600万人を超えており、台湾内では圧倒的な人口規模になります。

なお、台湾の総人口は2019年にピークをつけ、2020年には前年比で総人口が18万人ほど減りました。

台湾の総人口は今後も減少し、それに伴い各都市の人口も減り続けることが予想されています。

 

台湾5大都市の年齢構成

0〜12歳 12〜17歳 20歳以上 65歳以上
台北市 279,290 120,948 2,061,434 514,984
新北市 397,254 191,119 3,353,571 677,244
台中市 328,525 153,597 2,293,522 421,984
台南市 183,181 89,866 1,558,109 332,933
高雄市 266,076 129,986 2,297,361 497,742

中華民国内政部の資料によると、2020年の台湾5大都市の年齢構成は以上の通りです。

こうして数字だけで見ると分かりにくいですが、実は台湾も日本と同じく少子高齢化社会に入っています。

 

台湾全体の人口ピラミッド

台湾全体の人口ピラミッド

國家發展委員會 人口金字塔のサイトでは、台湾の毎年の人口ピラミッドを見ることができます。

過去は1960年からのデータを、未来は2070年までの予想を見ることができます。

かつては台湾も綺麗な三角形をしたピラミッドの形をしていました。

しかし現在は子どもが少なく大人が多い少子高齢化社会の形をしています。

この形は今後もしばらく続き、ずっと逆ピラミッドのような年齢構成になることが予想されています。

このサイトでは自分の手で年代を調整してピラミッドの変化を確認することができます。

非常に興味深いサイトとなっていますので是非訪問してみてください。

資料:中華民国内政部 人口統計資料 縣市人口年齡結構指標(9701)

 

台湾5大都市の平均所得

2022年
台北市 42,464元
新北市 40,909元
台中市 35,956元
台南市 39,262元
高雄市 36,586元

※2022年12月時点で1台湾元は約4.3円です。

比薪水という台湾の調査機関によると、2022年の各都市の平均所得は上記のとおりであることが分かりました。

台湾の給与水準は北が高く南が低い傾向にあります。

ただし、台中は中部にありながら南部よりも低い結果となりました。

これは2022年だけではなく、毎年同じような結果になります。

北部には本社機能、航空物流業界、半導体業界など高給の業界が集中しています。

南部は良質な貿易港を有しており、貿易や物流関係の企業が多いです。

一方、台中は高給の業界が少なく、被雇用者の給与が低くなっているのです。

 

台湾5大都市の1世帯の収入・可処分所得・支出(元/年間)

1世帯の所得合計 1世帯の可処分所得 1世帯の支出
台北市 1,716,591元 1,422,856元 1,109,351元
新北市 1,352,548元 1,134,884元 791,454元
台中市 1,289,700元 1,082,645元 867,844元
台南市 1,086,475元 904,141元 711,289元
高雄市 1,224,100元 1,017,796元 805,946元

※2022年12月時点で1台湾元は約4.3円です。

台湾は共働きが多く、子どもは両親に預ける家庭が多いです。

そのため、一人一人の所得は高くなくても、世帯ごとの所得は高くなります。

また、これは数値に表れにくいですが、台湾人は1人暮らしの割合が低く、家賃などの支出を抑えて生活しているため、生活にゆとりがある人が多いです。

この傾向は学生さんにも見られ、若い人ほど友達とルームシェアするなどして家賃を抑えて生活しています。

 

台湾5大都市の就業人口

2020年 人口に占める就業人口の割合
台北市 48.7%
新北市 49.7%
台中市 48.1%
台南市 51.9%
高雄市 48.1%

台湾の就業人口は2018年まで上がり続けていましたが、2018年をピークに2019年からは減少に転じています。

これは台湾の総人口の減少の時期とリンクしており、今後も少子高齢化と共に就業人口も減り続けることが予想されます。

なお、台南市の就業人口が多い理由は資料に明記されていませんでした。

同じ南部の都市ですが、台南市と高雄市でこれだけ差があるのは興味深いです。

 

台湾5大都市の失業率

2020年 失業率
台北市 3.9%
新北市 3.9%
台中市 3.8%
台南市 3.8%
高雄市 3.8%

リーマンショック直後は失業率5%前後でしたが、ここ10年はどの都市も安定して3.7〜3.9%の間を推移しています。

3.7〜3.9%といえば世界的に見ても安定している数字です。

台湾では若者の給与が上がらない問題が話題に挙がることが多いですが、就職できないという話は耳にしません。

 

台湾5大都市の土地面積

土地面積(平方キロメートル)
台北市 271.8㎢
新北市 2052.57㎢
台中市 2214.9㎢
台南市 2191.65㎢
高雄市 2951.85㎢

2010年に行政区分が整備されて各都市は現在の大きさとなりました。

台中市は以前の台中市と台中県が、台南市は以前の台南市と台南県が、高雄市は以前の高雄市と高雄県が合併してできています。

現在の台中市、台南市、高雄市は面積が大きいですが、栄えている中心地は以前の台中市、台南市、高雄市のエリアだけであり、郊外はかなり田舎です。

参考資料:都市及區域發展統計彙編 國家發展委員會

関連記事