新型コロナウイルス(covid-19)の影響で、出国できない日々が続いています。多くの台湾人がネット上で「もう出国する時のあの感覚を忘れてしまいそうだ」とつぶやいています。
そこで、台湾のいくつかの業者が「擬似出国ツアー」を企画し、人々の出国したい欲求を満足させようとしています。台湾の航空会社が乗客を乗せて台湾の周辺を一周するという商品を販売し始めたのです。
【目次】
「擬似出国ツアー」は6月から始まり、ツアーは形を変えていった
最初に「擬似出国ツアー」が行われたのは6月のこと。松山空港(台北)と航空会社が協力し、お客を出国ゲートから空港内に入れ、出国の雰囲気を味わったり、空港の新施設を見学するツアーを行いました。このツアーに参加したものは「飛行機が飛ばないこのタイミングで普段体験できないツアーを行うのはいいことだ」と述べており、大好評のうちに終わりました。
その後、松山空港に続き桃園国際空港も施設を開放し、空港の1日見学ツアーを行いました。また、実際に飛行機を飛ばして台湾島を一周するツアーまで誕生しました。現在は中華航空、エバー航空、タイガーエア、スターラックス航空の4会社が飛行機を飛ばしています。
「擬似出国体験ツアー」の内容
中華航空のツアー
中華航空は8月14日より「七夕キャンペーン」と称して新しいニセ出国ツアーを販売しています。(旧暦では8月中旬に七夕があります)チケットは2種類であり、1つは2人用エコノミークラスで1人につき7374台湾元で、もう1つは4人用ビジネスクラスで1人につき8899台湾元というもの。
内容は、8月22日の午後3時15分に桃園国際空港から、ボーイング737-800の中華航空CI-2099便(愛你久久(あなたを長く愛する)と音が同じ)に乗って離陸し、石垣島・恒春・緑島・宜蘭などを2時間かけて周遊するというものです。また、機内では、アフタヌーンティ、ベルギー王室ご用達のチョコ、豪華アメニティなどが提供され、免税品も23%オフで販売されます。
スターラックス航空のツアー
スターラックスは8月22日に2便を飛ばすことを予定しています。1つは東沙諸島まで飛び、海の景色を飽きるまで見ることができます。また、もう1つの便は夕方に飛び、夕焼けや夜景を楽しむことができます。各便3つのチケットがあり、ビジネスクラスの搭乗券と食事、エコノミークラスの搭乗券と食事、エコノミークラスの搭乗券のみとなっています。
タイガーエアのツアー
タイガーエアは8月6日にすでにツアーを終えました。午前10時20分に桃園を出発し、鹿児島上空で折り返して、午後14時に桃園に帰ってきました。値段は1人8888台湾元であり、機内ではミシュラン一ツ星の牛タンランチが提供されました。
エバー航空のツアー
エバーは8月8日に2時間45分をかけて台湾を一周しました。乗客には7つのサンリオグッズや飛行機用お泊まりセットが送られ、食事はミシュラン三ツ星レストランの食事が提供されました。エコノミークラスは1人5288台湾元、ビジネスクラスは1人6288台湾元でした。
国内線が少ない台湾の航空会社
台湾は国土が小さいため国内線が多くありません。そのため、今回のコロナ禍が航空業界に与えるダメージは相当なものがあります。
そんな中、考え出したのが今回の「擬似出国ツアー」です。売り上げとしては微々たるものですが、一般客に空港施設について理解を深めてもらう意義もある内容となっています。「擬似出国ツアー」のチケットは毎回完売しており、回数も徐々に増えてきているので、台湾の航空会社と空港が今後も様々な「擬似出国ツアー」を打ち出すことが予想されます。
飛行機や旅行が好きな人にとっては、目が話すことのできないユニークな企画と言えるでしょう。
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