インターネットを利用した販促方法に「ライブコマース」があります。タレントやインフルエンサーがライブ配信をして企業の製品を紹介し、視聴者はリアルタイムに質問やコメントをしながら商品を購入できるという新しいEコマースの形です。
中国ではすでにライブコマースが盛んですが、実は台湾のライブコマースもかなりの盛り上がりを見せています。よって、今回は最近の台湾のライブコマース事情をまとめました。
【目次】
ネット販促に活路を見出す企業たち
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、リアル店舗からネット販売に舵を切る企業が増えています。中でも、ライブコマースは大きな可能性を秘めた販促方法として各地で注目を浴びています。
中国のライブコマース市場は成熟しており、具体的な例で言うと、格力電器の社長・明珠はライブコマースにより4時間以内に40億台湾元を超える家電を売りました。また、錘子手機の創業者・羅永浩はライブストリーミングショーで3時間以内に台湾元にして億を超える売り上げを出しました。
台湾ではまだ中国のような熱狂は感じられませんが、防疫期間ということもあり、ライブコマースの重要性が日に日に増してきています。
台湾では企業が簡単にライブコマースに参入できるサービスが登場
2015年設立のデジタル広告を専門に行うkoodataは、2019年より「EasyLive直播拍賣」というサービスを展開しています。このサービスは月額1990台湾元であり、毎日何回でも使い放題で、売り上げからコミッションを取られることもありません。
Facebookと連結でき、EasyLiveのライブ配信画面で商品を紹介することができます。EasyLive直播拍賣には「+1購買」という機能が備わっていて、画面上で購入ボタンを押すと注文から支払いまで簡単に行うことができます。
注文のしやすさ(「+1購買」のボタンを押すだけ)や注文から支払いまで統合された便利なインターフェースが揃っており、データ分析の機能も備わっています。ライブコマースに参入した企業にとって魅力的なサービスです。
ライブコマースブームが到来!EasyLiveは2020年に億を突破する可能性も!
2019年にEasyLiveがローンチされた後、第1期は1回ごとの平均ライブ配信時間は68分でしたが、2020年の第1期は106分でした。2020年前半には年累積の「+1購買」の数が50万回に達し、昨年同期の10倍となっていました。2019年の第一期と比べると、2020年同期の売り上げは35%の成長でした。今年中にはGMVが億超えすることも予想されています。
現在COVID-19による影響は徐々に弱まってきていますが、ライブコマースでの注文の勢いは陰りを見せていません。逆に、多くの会社の商品がライブコマースに参入しています。koodataの運営長・孟逸錤は「COVID-19の影響が弱まっていますが、第2期は第1期と比べて28%の成長でした」と述べています。
サービスローンチ以来、累計で約2万社が同サービスをダウンロードしています。そのうち4分の1がマレーシア、シンガポール、香港、タイなど台湾以外の中華圏のユーザーであり、台湾だけにとどまらない可能性があります。
EasyLive直播拍賣の使用に慣れない企業はkoodata社から配信することもできる
koodata社にはスタジオが準備されており、専属の経験豊富なセールスマンに配信してもらうことが可能です。つまり、商品さえ用意すれば、あとはkoodata社が企業の代わりに全てを行うというサービスになります。
過去には手作り革靴の林果良品、麦芽炭酸飲料の禾餘賣酒、ライチ専門業社などがkoodata社のスタジオで配信を行いました。その際、ライチ業者は6時間で完売しています。
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