台中市が10項目の経済指標で台湾トップに!数値で見る台中の発展

コラム 台湾

先進的な建築が立ち並ぶ台中。写真は台中歌劇院(台中オペラハウス)

 

台湾の地方都市に行ったことがある人は、台中や高雄もものすごく発展していると言います。

実際、台中や高雄の中心部には綺麗なビルが立ち並んでおり先進的な印象を受けます。

では、見た目のすごさではなく数値でいうとどの程度発展しているのでしょうか?

今回は台中市が公表した経済指標をもとに台中市の発展度にフォーカスしてデータを紹介していきます。

結論、台中市は10項目の経済指標で台湾一位となっており現在かなり発展している都市といえます。

物価や地価もどんどん上がっておりアジアの発展を直に感じることができる都市です。

 

台中市のめざましい経済発展

先進的な建築が立ち並ぶ台中。写真は台中歌劇院(台中オペラハウス)

先進的な建築が立ち並ぶ台中。写真は台中歌劇院(台中オペラハウス)

台中市は人口281.7万人の大都市です。

実際、台中市は台北に負けないほどの高さの高層ビルが立ち並んでいます。

台中は台北より遅く発展したので建築物が新しく余計に先進的に見えます。

また、台中は人口密度が高くないため土地が広くてビルが大きく、豪華に見えます。

 

2018年にオープンした三井アウトレットパーク台中港

2018年にオープンした三井アウトレットパーク台中港

高層ビルや高級住宅街がある以外に、巨大なデパートやアウトレットモールも次々とオープンしています。

2018年には三井アウトレットパーク台中港が、2023年1月には三井ショッピングパークららぽーと台中がオープンしました。

特に三井ショッピングパークららぽーと台中は台中駅から徒歩6分という好立地であり、台中市だけでなく近隣の県からの来客も見込めます。

また、合計600店舗を有し、2500人の雇用を生む予定です。

 

台中國際會展中心(台中国際展示場) 公式サイトより

台中國際會展中心(台中国際展示場) 公式サイトより

2024年には台中國際會展中心(台中国際展示場)が完成するなどビジネス交流にも力を入れています。

 

2022年、台中市が10項目の経済指標で台湾トップに!

2022年8月の調査により、2022年の上半期に台中市は以下10項目の経済指標で台湾トップになったことが分かりました。

①合同会社登記資本額 +11.4億元

②合同会社登記数 +5,064社

③株式会社登記数成長率 +4.16%

④株式会社登記数 +4,485社

⑤新登記工場数 3,775工場

⑥特定工場及び納管通過 5,058件

⑦工場の固定資産投資 2,847億元

⑧投資台湾三大方案の会社数 248社

⑨台中総投資額 2兆524億元

⑩失業率 3.6%(台湾6都で最低)

※上に書いた「合同会社」は商行や行号などを、「株式会社」は有限公司や股份有限公司などを指します。

※「特定工場及び納管通過」は環境汚染に対する政府認証に関する項目です。

※「投資台湾三大方案」は中小企業支援関連の法律です。

台湾は日本よりも人口が少ないので上の数字を見てもピンとこないかもしれません。

しかし注目すべきはこれらデータが台湾でトップであるという点です。

順調に経済発展している台湾の中でも台中市は特に勢いのある都市と言えます。

 

台中市議会議員が疑問提起。経済指標はいいのに、なぜ平均給与は低いのか?

台中市議会

台中市議会

台中市議会議員の邱素貞氏は、台中市が10項目の経済指標で台湾トップになったデータを見て「これだけ経済発展しているのになぜ平均給与は低いのか?」と疑問を投げかけました。

台湾の民間給与調査サイト「比薪水」によると、2022年1月から6月の全国各県市の平均給与は41,111元であり、台北市は42,464元、新北市は40,909元、桃園市は40,885元、台南市は39,262元、高雄市は36,586元、台中市は35,956元でした。

つまり、台中市は法人登記数、登記数成長率、新登記工場数、失業率などの項目で6都市トップであり都市全体としては優れているけれども、個人の給与は6都市最低なのです。

これに対し台中市長の盧秀燕氏は「多くの企業が台中市に投資しているがそれらはいずれも本社機能ではなく、従業員の給与水準は依然として低いままである」と述べています。

また、台北には外資企業や本社機能が、桃園には航空関連会社が、新竹には半導体関連会社が、高雄には貿易及び物流関連会社が多く存在しますが、台中は飲食店のようなサービス業の割合が高く、そのため従業員の給与水準が低いままです。

これらを元に考えると、台中市は人口が多く、空港が近く、港もあり、土地は広く、従業員の給与水準が低いため、経営者や株主にとっては理想的な土地なのかもしれません。

 

参考資料:三井ショッピングパークららぽーと台中 三井不動産

参考資料:台中經濟指標10項奪冠 黃副市長:經濟成果亮眼、努力提升市民所得(台中市、10項目の経済指標で台湾トップに)

参考資料:台中市10項經濟指標全國第一? 綠議員質疑:為何平均薪資最低?(台中市議会議員:なぜ台中市の給与水準は低いのか?)

参考資料:台中薪情比苗栗差? 盧秀燕:不少總公司未設台中(台中市長:多くの会社が本社を台中に置かない)

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