上海に無人コンビニ、スマホと顔認証で入店―中国
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中国では今無人ビジネスがものすごい勢いで増えています。その一つとして、ついに上海で無人コンビニが登場しました。法律的には正確に言えば大型の自動販売機ということなのですが、消費者からはコンビニと認知されているようです。記事の中でも書かれていますが、スマホと顔認証で入店し、決済もスマホで行います。万引きが心配されますが、今のところそうした事件は起きていないようで、二年前に実験的に開店した無人店舗では料金を払わない客がいた等と騒ぎになったことを考えると、この二年での消費者の意識の変化や防犯可能なインフラの整備が進んだことがわかります。
こうした無人サービスが増加する背景には当然ながら中国の人件費の高騰があります。正社員の給料は毎年20-30%という速いペースで上昇しているので、現在では企業も気軽に人を雇うわけにはいかなくてなっています。仮にやっと人を雇うことができたとしても、教育を行い、管理をし、それなりの給料を払わなければあっという間に辞められてしまう現状をみれば、導入コストが多少かかっても無人コンビニのような設備投資を行ったほうが良いと考える企業が増えるのも無理のないことです。
更に、無人サービスが増える理由として、最近の若者のコミュニケーション恐怖症があげられます。日本でも若者が会社でかかってきた電話を取らない、電話での会話が苦手ということが話題になりますが、これは日本に輪をかけてスマホ社会になりつつある中国でも同様で、Wechatのテキストで会話を済ませるようになっている若者は以前に比べて対人的なコミュニケーションを苦手とするようになっています。そんな若者からすれば、買い物に行っても店員と顔をあわせる必要がない無人コンビニは心理的な負担の少ない便利なサービスと言えるでしょう。
人件費の高騰と若者の対人恐怖症、中国の無人サービスの増加はこれからも加速するに違いありません。