台湾の人口は2,300万人ほどですが、2023年はのべ約1,074万人が海外旅行をし、そのうち約383万人が日本を訪れました。
約383万人という数字は訪日観光客の中でトップの数字あり、台湾より人口が多い韓国や中国を超えています。
すでに、日本のインバウンド業界にとって台湾は無視できない市場であることは言うまでもありません。
よって今回は台湾でのオンライン旅行予約サイト(OTA)の利用状況に関する情報をまとめました。
台湾人はどのようなOTAを利用して旅行を計画しているのでしょうか?
また、どのような基準でOTAを使い分けているのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
【目次】
台湾で人気のオンライン旅行予約サイト(Online Travel Agent、略してOTA)は?
i-Buzz網路口碑研究中心によるランキング
台湾のネットマーケティング会社 “i-Buzz網路口碑研究中心” によると、「台湾のネットユーザーが名前を挙げた回数が多かったOTAランキングトップ10」は以下の通りでした。(調査期間:2022年1月〜10月)
- Booking.com
- Agoda
- Airbnb
- Klook
- AsiaYo
- 楽天
- Jalan
- ezTravel
- Fun now
- Kkday
調査によると、上位3社はそこまで差が大きくないですが、3位と4位の差はとても大きいという結果になりました。
この結果から台湾ではBooking.com、Agoda、Airbnbの3社が特に利用されていることが分かります。
KKBOXによるランキング
また、台湾で音楽サブスクリプションサービスを展開する “KKBOX” は、自社の台湾国内ユーザーに対し「日本旅行の際によく利用するOTA」の投票を行なっており、その結果は以下の通りでした。(調査対象数:7,064票、調査時期:2023年11月)
- Agoda 2100票 https://reurl.cc/x6MXg5
- Booking.com 1580票 https://reurl.cc/x68WY4
- 旅館やホテルの公式サイトで直接予約 849票
- じゃらん(日本語サイト) 514票 https://reurl.cc/Oj3ke9
- Hotels.com 377票 http://bit.ly/1qrkLWy
- 楽天トラベル(日本語サイト) 297票 https://reurl.cc/K3Y07m
- 易遊網、可樂、雄獅などの台湾国内の旅行エージェントのサイト 251票
- Trip.com 173票 https://reurl.cc/E1YLya
- Google Map上で価格を比較 164票
- Ikyu一休 154票 https://reurl.cc/6QO09y
- JAPANiCAN e路東瀛 110票 https://linshibi.com/?p=1379
- Expedia智遊網 101票 https://www.expedia.com.tw/
- Airbnb 91票 https://linshibi.com/?p=9376
- 楽天トラベル(中国語サイト) 63票 https://reurl.cc/m0QzOj
- KLOOK 51票 https://reurl.cc/QZADVZ
- Hotelscombined 44票 https://reurl.cc/r6o3Wy
- Trivago 33票 https://www.trivago.com.tw/
- Relux 23票 https://reurl.cc/q0AVZE
- じゃらん(中国語サイト) 22票 https://reurl.cc/m05XY7
- KKday 17票 https://reurl.cc/5OWa3q
- WAmamzing 完美行 16票 https://reurl.cc/gZYvdR
- Skyscanner 14票 https://skyscanner.pxf.io/m5b0OD
- LINE旅遊 11票
- AsiaYo 8票 https://reurl.cc/V4OeY5
- Kayak 1票 https://reurl.cc/kakMAb
KKBOXの調査においてもAgodaとBooking.comが特に人気ということが分かりました。
しかしこの調査がi-Buzzの調査と違ったのは、3位が「旅館やホテルの公式サイトで直接予約」である点や、上位に「じゃらん(日本語サイト)」や「楽天トラベル(日本語サイト)」がランクインしている点でした。
じゃらんや楽天トラベルには中国語サイトもありますが、少しでも手数料を安くするために日本語サイトで予約している台湾人が多いという点は新たな発見でした。
台湾人は日本語ができる人が少なくないですし、日本語サイトの操作方法を解説するブログ記事やYouTube動画も少なくありません。
自分で日本語サイトから直接予約することは台湾人にとってそこまで難しいことではないようです。
各OTAプラットフォームの関連ワード分析
台湾のネットマーケティング会社 “i-Buzz網路口碑研究中心” は、Booking.com、Agoda、Airbnbの三つの人気プラットフォームに対して関連ワード分析を行いました。(分析方法は非公開、カッコ内は日本語訳)
1.Booking.com
限時(期間限定)、優惠(特典)、價差(価格差)、定價(定価)、規則(ルール)、付錢(支払い)、扣款(割引)、訂房(お部屋予約)、評價(評価)、評分(レビュー)、空房(空室)、結帳(支払い)、帳單(オーダー表)
2.Agoda
限時(期間限定)、標章、優惠(特典)、最低(最低)、評價(評価)、房價(お部屋価格)、含稅(税込)、扣款(割引)、Visa、合作(提携)、訂單(オーダー)、付款(支払い)、協助(提携)、退費(払い戻し)
3.Airbnb
房源(お部屋)、短租(短期契約)、落差(ギャップ)、租金(家賃)、租屋(賃貸)、月租(マンスリー契約)、清潔費(清掃費)、慎選(慎重に選択する)、房東(大家さん、オーナーさん)、申訴(クレーム)、出租(貸し出し)、保障(保障)、青旅(ホステル)
Booking.comとAgodaはプラットフォーム上でお部屋を選択し支払いまで済ませることができます。よって、お部屋の価格、規則、支払い、予約などに関するワードが多く見られます。
一方、Airbnbはプラットフォーム上でお部屋を選択して支払いができるところまでは同じですが、チェックインに関しては物件のオーナーさんとチャットで直接やりとりすることになります。よって、オーナーさん、クレーム、保障などのワードが多く見られます。
また、Airbnbは観光目的だけではなく、1週間以上の中長期滞在(留学やビジネス)の目的で利用する人も多いため、マンスリー契約、清掃費、家賃などのワードも見られます。
台湾人旅行客は宿泊場所に何を期待する?
最後に、Hotels.comが自身のユーザーに対し調査した「台湾人旅行者が宿泊場所に求めること」を紹介します。2015年調査の古いデータですが、ユーザーのニーズは現在と大きく変わらない可能性があるためまとめさせていただきました。
1.台湾人が観光時に宿泊場所に期待するもの
無料Wi-Fi 38%
無料の朝ごはん 15%
ドライヤー 10%
2.台湾人がビジネス出張時に宿泊場所に期待するもの
無料Wi-Fi 54%
近隣に交通機関、レストラン、商店があること 24%
無料の朝ごはん 11%
3.台湾人が嫌うお部屋
じゅうたんが臭い 69%
騒音がする 66%
お湯が温かくない 57%
コンセントが少ない 19%
浴室の照明が暗い 14%
4.台湾人が必要ないと思うお部屋のサービス
ミニバー、おやつ 51%
アイロン 39%
DVDプレイヤー 30%
浴室電話 19%
この文章の筆者である私が台湾で生活した経験に基づく意見ですが、台湾人は風通しや湿気に敏感な人が多いです。
台湾は湿気がすごく、すぐにカビが生えることで知られています。また、冬でも湿気があり、一年を通して常に部屋の中がジメジメしています。
そうした台湾の気候が関係しているかどうかは分かりませんが、台湾人は部屋の風通しや湿気に敏感であり、この点についてでも注意が必要と言えます。
参考記事:到日本愛用的訂房網站排行榜!Agoda Booking.com 官網 Jalan Hotels.com列前五
参考記事:旅遊網調查 台灣人住飯店最重視…