今回は訪日台湾人旅行客が日本でどのようにして飲食店を探しているのかについて解説していきます。
インバウンド業や飲食業に関わる方の参考になるよう、日本人が知らない台湾人の習慣や考え方を交えつつ情報をまとめました。
訪日台湾人は日本でどのようにして飲食店を探している?
台湾人が日本で飲食店を探す方法は主に以下の通りです。
- GoogleMapで調べる
- 各SNSのインフルエンサーの情報をチェックする
- 食べログなどレストラン検索サイトを活用する
- Googleでまとめサイトを検索する
一つ一つ見ていきましょう。
①GoogleMapで調べる
まず、最も代表的な方法としてはGoogleMapが挙げられます。
台湾は中国とは違いGoogleを使うことができるため、老若男女多くの台湾人がGoogleアカウントを持っています。
普段から飲食店をお気に入りに登録したり場所やレビューを友人とシェアするなどしてGoogleMapを活用しています。
GoogleMapではナイフとフォークのアイコンで飲食店が示されます。(コップのアイコンは喫茶店です。)
特に食べたいものが決まっていない場合でも、このアイコンを頼りに次々と近隣の店のレビューをチェックすることができます。
ホテルや観光地近くの飲食店をざっくりと探すときに非常に便利なアプリと言えます。
少し話はそれますが、台湾人のGoogleMap利用に関して知っておきたいことがあります。
GoogleMap上の星の数が日本では全体的にかなり低いことが台湾でたびたび話題になります。
台湾の飲食店ではGoogleMapに5点満点のレビューを書くとサイドメニューの無料サービスや大盛りサービスが受けられることが多々あります。
また、台湾人の価値観として店への評価が厳しくなく簡単に高評価をつけることが頻繁にあり、味に問題がなければすぐに4点以上をつけます。
このため台湾のGoogleMapのレビューは全体的に高い傾向にあり、あまり参考にならないと言われています。
台湾では星が4以上であることが多いので台湾人が日本を訪れると3.5前後の店が多いことに驚きます。
日本では名店や人気店でも3.5前後のことがあり台湾人は入店を控えることがあるようです。
この問題に対して日本の飲食店がとれる対策はないように感じます。
台湾人の間で「日本は台湾に比べて評価が低く出る」という事実が普及することを望むばかりです。
参考記事:為何日本名店的Google評論分數都超低?內行人揭2原因:是台灣的沒參考意義(なぜ日本の有名店はGoogleレビューの評価が低いのか? プロが明かす2つの理由:「参考にならないのは台湾の方」)
②各SNSのインフルエンサーの情報をチェックする
若年層中心になりますが、台湾人はインフルエンサーが紹介する店もチェックしています。
台湾で人気のSNSは主に以下の4つです。
- YouTube
- TikTok
(台湾人のSNS事情については過去記事をご参照ください。)
この投稿をInstagramで見る
上は、日本旅行関連の投稿が多いインスタグラマーの「樂冠廷 阿樂」さんです。2024年12月現在、89.5万人のフォロワーがいます。
台湾の人気インフルエンサーの投稿を見ると、やはり寿司、海鮮、焼肉、ラーメン、居酒屋などの日本を代表するグルメや、抹茶やフルーツなどを使用したカラフルで視覚的にインパクトのあるデザート(和菓子やケーキなど)、コンビニグルメなどが人気であることが分かります。
この投稿をInstagramで見る
Instagramの検索欄に「日本旅遊」(”日本旅行”の意味)や「日本美食」(”日本グルメ”の意味)などと入力すると、日本旅行関連の投稿を見つけることができます。
台湾にどのようなインフルエンサーがいて、どのような飲食店が人気とされているのかを、ご自身で検索して確認してみましょう。きっと新しい発見があるはずです。
③食べログなどレストラン検索サイトを活用する
お馴染みのレストラン検索サイト「食べログ」ですが、実は外国語サイトが充実しています。
食べログには英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語の4つの外国語サイトが存在します。
内容は機械翻訳によるものではなくネイティブが丁寧に翻訳したものです。
外国語バージョンも日本語サイトと同じく情報量が多く使いやすいのが特徴です。
台湾における食べログの知名度は日に日に高まってきており、多くのキュレーションサイト、ニュースサイト、ブロガーなどが日本旅行では食べログを使うと便利だと述べています。
最近ではぐるなびやホットペッパーも中国語サイトに力を入れており、レストラン検索サイト業界でもインバウンド客の取り込み競争が激化しています。
なお、食べログのレビュー欄(ユーザーの体験談)は機械翻訳されていますが、星の数が大きく表示されていて高評価or低評価が分かりやすく、機械翻訳も意味が十分理解できる内容となっています。
繁体中国語サイトで表示すると様々な言語で書かれたレビューが全て繁体中国語に機械翻訳されて表示されます(同じように英語サイトなら英語で表示され、韓国語サイトなら韓国語で表示される)。非常に便利な仕様になっています。
④Googleでまとめサイトを検索する
もちろん、なかにはGoogle検索を活用する台湾人もいます。
例えば「京都 美食 懶人包(京都 グルメ まとめ記事)」というワードで検索します。
するとブロガーさんのまとめ記事や旅行関連サイトのまとめ記事がたくさん出てきます。
このようなまとめ記事で紹介されているお店の中から気になるお店をピックアップして、さらにGoogleMapやSNSでレビューを確認します。
レビュー内容に問題がなさそうであれば旅行で実際に行きたい候補になります。
台湾人の外食に関するアンケート
台湾の調査会社・博思市調公司が「台灣人外食習慣問卷調查(台湾人の外食習慣に関するアンケート調査)」を発表しています。
調査対象者は台湾全土の25〜35歳のサラリーマンで、有効回答数は5,368件、調査期間は2024年9月1日から2024年9月10日です。
これは海外旅行時の外食に関するアンケートではないのであくまでも参考程度の調査となります。
外食店を選ぶ時に重視すること(複数回答可)
価格:78.1%
味:48.9%
料理の種類:37.7%
量:35.3%
利便性(アクセスなど):33.7%
健康的な食事:22.0%
価格を重視する人が圧倒的に多く、次に少し差があって味を重視するという結果になりました。
毎月外食にかける金額(一つのみ選択可)
1,001〜3,000元(約4,731〜14,181円):35.7%
3,001〜5,000元(約14,186〜23,635円):20.4%
5,001元以上(約23,640円以上):16.7%
501〜1,000元(約2,368〜4,727円):14.9%
500元以下(約2,363円以下):12.3%
※2024年12月のレートに基づき換算
何度も書きますが、これは普段の台湾での生活における金額です。
通常、旅行時には普段よりも豪華なものや記念となるものを食べるので、上記の金額と旅行時の金額は異なる可能性が大きいです。
それでも一つの参考例として上のデータを挙げさせていただきました。