2022年、台湾の幸福度がアジア一位に。世界幸福度レポートを参照

コラム 台湾

今回は2022年3月に国連より発表された「世界幸福度レポート(World Happiness Report)」の結果をお伝えします。

なお、このコラムは韓国メディアが台湾社会を分析した文章を引用した中国語ニュースを翻訳しています。

韓国視点の分析が含まれていることを予めご了承ください。

2022年、台湾の幸福度は26位でアジア最高位に

台湾には地政学的な外的圧力があるにもかかわらず、台湾人の幸福度は高まっています。2022年3月に発表された世界幸福度レポートでは、台湾はアジア(中東を除く)で最も幸せな国であると報告されました。これを受け韓国国会未来研究所は近年台湾人の幸福度が上昇に転じたターニングポイントは政権交代であると結論づけました。

台湾は今年の世界幸福度レポートで146カ国中26位にランクされ、中国(72位)だけでなく、日本(54位)や韓国(59位)を上回りました。台湾がこのランキングで高得点を獲得したのはこれが初めてではありませんが、2018年以来4年連続でトップグループに位置しています。

なお、国連幸福度レポートは、一人当たりのGDP、社会的支援(回答者が困った時に他人が助けてくれたかどうか)、健康寿命、ライフスタイルを選択する自由、寛大さ(回答者が先月寄付を行ったかどうか)、汚職のレベル(汚職が社会に蔓延しているかどうかを回答者が判断)などの要因に基づいて決められました。

台湾がアジアで最も幸福な国になった理由は「経済成長による生活水準の向上」

台湾は過去ずっとアジアで幸せな国であるという地位を維持していたわけではありません。2013年の国連報告書では台湾と韓国はどちらも約40位にランクされていましたが、その後両国は異なる方向に進みました。韓国はますます不幸になり、台湾はますます幸福になったのです。

台湾には経済的圧力と中国軍の脅威があるにもかかわらず、なぜこのような高い幸福度を維持できているのでしょうか。6月29日、韓国国会未来研究所は台湾人の幸福度が上がっている理由を分析した報告書「国民幸福度フォーカス」を発表しました。この報告書では、台湾は2016年の政権交代がターニングポイントとなったと結論づけています。

2010年代初頭まで台湾社会には不信感が満ちており、若者は台湾を「亡霊の島」として嘲笑していました。しかし、2016年に蔡英文が政権を握り、最低賃金やその他の労働者階級政策を通して半導体など重要産業への戦略的支援を継続的に行い、台湾の経済と社会の活力が回復し始めました。

未来研究所のデータセンター長である許鍾浩氏は、これら6つの幸福度指数の年次変化を分析した結果、台湾の幸福度を上昇させた指数は「物質的な生活水準」「社会的支援」「ライフスタイルの自由な選択」であることが分かったと示しました。

最も注目すべきは経済成長によってもたらされた生活水準の向上です。 COVID-19(新型コロナウイルス)が蔓延したにもかかわらず、台湾は過去2年間で史上最高の輸出実績を記録し、2020年の経済成長率は3.1%、2021年の経済成長率は6.28%となりました。

この成長力の背景には世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCの推進があります。さらに、コロナウイルス発生の初期には、台湾は感染対策を成功させ、政府に対する国民からの信頼が大幅に高まりました。

データから分かる台湾経済の成長

上で、「台湾は過去2年間で史上最高の輸出実績を記録し、2020年の経済成長率は3.1%、2021年の経済成長率は6.28%となりました」と記載しました。

実際、他国との比較を見てみると台湾経済の力強さがよく分かります。

(台北中央社)与党・民進党主席(党首)を兼務する蔡英文(さいえいぶん)総統は4日、党会合に出席した。台湾の今年の1人当たりGDP(国内総生産)が19年ぶりに韓国を上回ると国際通貨基金(IMF)が予測したことに言及し、全国民が新型コロナウイルスの感染対策に取り組み、経済モデルの転換を推進したおかげだと語った。IMFによれば、台湾の今年の1人当たりGDPは3万6000米ドル(約470万円)に達し、韓国の3万4990ドル(約450万円)を2003年以来、19年ぶりに追い抜く見通し。

参考記事:1人当たりGDP、台湾が19年ぶり韓国超える見通し 蔡総統「全国民のおかげ」

上記の引用記事によると、2022年には台湾の一人当たりGDPがついに韓国を抜くとのことです。

台湾は少子高齢化が未だ進んでいないこともあり、社会保障費や税金が日本ほど高くありません。(消費税(中国語は”営業税”)は5%)

国民の可処分所得も高く、生活に余裕がある人が増えています。

データには表れない台湾人の幸福の理由(個人的感想)

ここからは台湾現地に住んでいる私の個人的な感想なので参考程度にお読みいただけると有り難いです。

台湾人は日本人と比べて、自分を責めすぎず、細かいことをあまり気にしないように感じます。

たまに「台湾人は日本人に似ている」という人がいますが、台湾生活者である私は台湾人は南国特有の明るさを持っていると感じます。

こうした台湾人の明るさが幸福度につながっているかもしれないと思います。

また、選挙時の投票率が非常に高く、毎回平均で75%ほどとなります。

政治と生活が密接に関係していることを理解しており、積極的に意見を反映させようという姿勢があります。

こうした積極的な姿勢も幸福度と関係している気がします。

参考記事:台灣是亞洲最快樂國家 韓分析:轉捩點是政黨輪替

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