日本と同じように台湾にも祝祭日や記念日があります。
日本と共通している祝日もあれば、日本では馴染みのない祝日もあります。
それぞれの祝日に習慣があり、よく売れる物も祝日によって異なります。
ここでは販促の観点から、台湾の各祝日によく買われるものやプレゼントされるものをまとめました。
この記事が台湾の市場を理解したい方の参考になれば幸いです。
台湾の各祝日に買われるもの&プレゼントされるもの
1月:旧暦新年(旧正月、春節)
旧暦新年は多くの人が買い物を楽しむ時期です。この時期、会社員にはボーナスも支払われるため、お金を多く持っている人が多いのも買い物やプレゼントが増える理由でしょう。
よく買われる商品:お菓子、健康補助食品、新年の商品や料理、新鮮な野菜や果物、服やアクセサリー、旅行、掃除用品、装飾品、ボードゲームや麻雀など。
よく見られる宣伝手法:中華圏のおめでたい色である赤と金を組み合わせたデザインが適しており、干支や年数などと組み合わせて注意を引くことが多いです。
2月:旧暦新年(旧正月、春節)、元宵節、バレンタインデー、2/28連休
年によっては2月が旧暦新年のこともあります。また、元宵節、バレンタインデー、2/28などの連休が続き、楽しいイベント続きの月となっています。
よく買われる商品:キャンディやスイーツ、美容とスキンケア製品、旅行(旧正月、2月28日の連休)、新年の商品や料理。
よく見られる宣伝手法:旧正月の要素を取り入れたデザインや、ロマンチックなピンク色を選ぶことが多いです。
3月:婦女の日、ホワイトデー、Eコマース38女王節(3月8日の女王の日)
この月は女性のパワーが溢れる月です。Eコマース業界が展開する38女王節(3月8日の女王の日)は、国際女性デーのアップグレード版とも言える日です。化粧品、スキンケア、高級アクセサリー、SPAマッサージなど、さまざまな女性向け商品が提供されます。
よく買われる商品:キャンディやスイーツ、ファッション、アクセサリー、美容、スキンケア製品。
よく見られる宣伝手法:「女性は自分を大切にするべき」というテーマを押し出し宣伝を行う業者が多いです。
4月:児童節(子どもの日)、清明節、エイプリルフール、母の日商戦期
通常4月と5月は、子どもの日から始まり母の日まで続く商戦期とされており、母と子関連の商品にとっては絶好のビジネスチャンスとなります!
よく買われる商品:エンターテイメント、おもちゃ、文房具、掃除用具(清明節の先祖の墓参り)、母子関連の商品。
よく見られる宣伝手法:楽しく柔らかな印象、ピンク色、手書き風の楽しいフォントなどが母子関連商品に多様されます。
5月:母親節(母の日)、勞動節(労働者の日)
母の日は5月の第二日曜日です。母の日は台湾の上半期で最も重要なビジネスチャンスの一つです。年末年始やクリスマスに並ぶ商戦期であるため、戦略を立てて広告宣伝を始めるべきです。
よく変われる商品:花、美容&スキンケア製品、健康食品、マッサージ家電、お菓子やケーキ、旅行関連、外食、洋服、アクセサリー、母子関連用品。
よく見られる宣伝手法:母の日に合わせて、カーネーション、ピンク色、感謝の気持ちを表すキャッチコピーなどを用いることが多いです。
6月:端午節(端午の節句)、卒業シーズン、京東618
端午の節句は台湾における三大祝日の1つであり(他2つは春節と中秋節)、この時期には贈り物の需要が発生します。また、6月は台湾の卒業シーズンであり、アメリカと同様に9月から新学期が始まります。一方、6月18日(618)は中国の京東の祝日であり、近年、一部の台湾のEコマースプラットフォームも参加しています。(販売量はまだ双十一(11月11日)には及びません。)
よく買われる商品:(卒業・求職)美容スキンケア製品、(卒業・求職)洋服やアクセサリー、(卒業・求職)文房具・小物、(端午節)フルーツギフトボックス、(端午節)食品、(端午節)健康食品など。
よく見られる宣伝手法:端午節には緑と金の配色が適しており、卒業シーズンには学士帽など卒業をイメージするものを多く活用することがあります。
7月:七夕(中華圏のバレンタンデー)、夏休み、就活シーズン
日本でもおなじみの七夕は、台湾では中華版バレンタインデーとして認識されています。また、海に行く人も多いため、日焼け止め商品や旅行関連商品も人気です。
よく買われる商品:お菓子、デザート、服装やアクセサリー、美容・スキンケア製品、旅行、食事券、(夏休み)日焼け対策商品、エアコンや扇風機、水着や水泳用具など。
よく見られる宣伝手法:暑い夏に合わせた清涼感あふれるデザインが最適です。また、七夕には2/14の西洋版バレンタインデーとの差を出すため、紫紅色を採用し、喜鵲、銀河、織姫、ひこぼしをイメージさせる要素を取り入れることが多いです。
8月:父親節(父の日)、中元節
8月8日にある父の日はマッサージチェアやPCやスマホ関連の電子機器がよく売れ、中元節は様々なものを送り合うシーズンのため販促効果が見込めます。
よく買われる商品:PCやスマホ関連の電子機器、男性向け商品、健康食品、旅行、食事券、(中元節)食品、(中元節)供養用品など。
よく見られる宣伝手法:父の日に関しては日頃の感謝を表すような販促方法が見られます。
9月:中秋節、教師節(教師の日)、蝦皮99購物節(Shopee ショッピングフェスティバル)
中秋節は台湾の三大祝日の1つであり、旧暦新年に次ぐ贈り物シーズンです。
また、9月9日のShopeeショッピングフェスティバルは、Shopee(蝦皮購物)が主催するイベントであり、2020年には「生活」「美容・健康」「スマートフォン・タブレットと周辺機器」の3つのカテゴリで売上が著しく増加しました。Shopeeで商品を販売している場合、事前に割引プランを計画することを忘れないようにしましょう。
よく買われる商品:月餅やその他のお菓子、フルーツギフトボックス、バーベキュー関連商品、生鮮肉、お茶、食事券など。
よく見られる宣伝手法:中秋節と教師節はどちらもテーマが明確であり、感謝の気持ちを表す贈り物が喜ばれます。
10月:國慶日(台湾の建国記念日)、ハロウィン、百貨週年慶(デパートのセール期間)
台湾のデパートはこの時期に一斉にセールを始めるため、多くの人がデパートへ買い物に行きます。
よく買われる商品:旅行、食事券、装飾品やデコレーション用品、ハロウィン関連の小物、デパートの商品(服など)。
よく見られる宣伝手法:おめでたいイベントや楽しいイベントが多い時期ですので、鮮やかで目を引く色合いを選ぶことが多いです。
11月:感恩節(サンクスギビング)、黑五購物節、Eコマース・双11(11月11日)、百貨週年慶(デパートのセール期間)
実店舗ではデパートのセール期間の熱狂が続き、オンラインでは双11のセールがあります。双11は中国の天猫が主催するイベントであり、今やEコマース界の定番イベントとなりました。一方、11月の欧米地域にはブラックフライデーのセール期間があり、台湾のコストコが2017年からこのイベントを導入して一定の盛り上がりを見せました。
よく買われる商品:旅行、食事券、服装、アクセサリー、美容・スキンケア製品、PCやスマホ関連の電子機器、(記念イベント&双11)オンラインで売られている様々な商品など。
よく見られる宣伝手法:この時期は値引き関連のイベントが続くため、値引きや特売を打ち出した販促がよく見られます。
12月:クリスマス、年末年始、Eコマースの双12(12月12日)
台湾でもクリスマスは年末の最も重要なイベントの一つであり、パーティーが行われ、プレゼントを贈り合います。あらゆる種類の商品がこの時期に買われます。
よく買われる商品:クリスマスデコレーション、プレゼント向きの商品、高級酒、ケータリングや外食、旅行、食事券、美容・スキンケア製品、(双12)オンラインで売られている様々な商品など。
よく見られる宣伝手法:「年末の大イベント」「プレゼント交換」「年末のパーティー」などのコンセプトを中心とした販促手法。
まとめ
台湾には、日本と共通する祝祭日もあれば、日本ではそこまで重視されないけど中華圏では特に重視される祝祭日もあります。
また、Eコマースプラットフォーム上での値引きセールイベントは中国のプラットフォーム由来のものが多いです。
卒業シーズン、新学期、新年の時期は日本と異なるので、日本では大して重要じゃない時期でも台湾では盛り上がることがあります。