新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、世界的に景気が後退しています。
しかし、アマゾンを始めとするEC業界は業績が好調です。
もちろん台湾も例外ではなく、EC最大手のmomoは業績を大きく伸ばしています。
よって今回は、台湾のテック系メディアの記事を元に、momoの施策を紹介していきます。
【目次】
■台湾のEC最大手momoとは?
富邦媒體科技が2005年にサービスを開始した台湾のECサイトです。
2018年には台湾最大のECサイト(B2C)となり、2019年には年間累計売上が518.3億台湾元にのぼり過去最高を記録しました。
■2020年3月のmomoの売上
2020年3月、momoの単月連結売上は52.2億台湾元に達しました。
これは昨年同月比33.5%の伸びであり、過去最高の単月売上となります。
1〜3月を通して見ると、連結売上は約151.1億台湾元となり、昨年同期比で28.7%の伸びとなりました。
新型コロナの影響で業界全体が追い風だったとはいえ、momoの業績アップは他を圧倒するものでした。
さて、momoは一体どのような施策をとったのでしょうか?
■台湾EC業界最大手momoの施策
施策①:momoカードとVIP会員制度に継続して注力
2019年6月、momoは「momoコイン」を発行しました。
また、2019年11月には台北富邦商業銀行と提携し「momoカード」なるクレジットカードを発行しました。
これら2つの施策は顧客をさらに引きつけ、momo会員の消費頻度を高めました。
総経理の谷元宏氏はmomoカードにより消費回数と客単価が明らかに向上したと述べており、その成果に満足しています。
momoはデータを元に、同じ消費者層において、momoカード発行後、オーダーごとの消費額が約13%も成長したと述べています。
また、昨年谷元宏氏はAmazonプライムのようなVIP会員制度を推し進める計画を発表しました。
その初段階として、現在は台湾大哥大(台湾の通信キャリア)が提供するmyVideoやmyMusicなどのサービスをmomoと統合させています。
VIP会員制度が今後どのように発展していくかは未定の部分もありますが、ただの宣伝文句で終わらず、顧客が会員になって良かったと思えるサービスを目指しています。
施策②:保険商品の販売
現在、momoは「オンライン保険」を積極的に売り出しています。
momoのサイトには富邦人壽(生命保険)や富邦產險(自動車保険や火災保険など)の販売ページが設けられています。
また、将来的には富邦グループの保険商品を販売するだけでなく、momoが他の保険会社の商品を代理販売する予定もあります。
施策③:生鮮食品のネット販売を実店舗と同じくらい速くて便利に
momoは生鮮食品分野に継続的に注力しています。
今後は冷蔵や冷凍の必要がない乾き物から注力し、消費者がネット上で食品を購入する習慣を作り上げることを目標としています。
他、現在は冷蔵生鮮食品に関して主に熊媽媽買菜網と提携していますが、今後は多くの冷蔵運送業者との提携を進め、業務を拡大していく予定です。
また、momoは食品倉庫の設置も進めており、それにより消費者がスーパーで買い物するのと同じ時間で商品が届くサービス網を築くことを目指しています。
実際、2019年は全台湾併せて20もの物流倉庫を設立しました。
施策④:海外市場の開拓
2019年には中国、東南アジア、中東などの地域の開拓を進めました。
タイの「TVD momo」や中国の「富邦歌華(北京)商貿有限責任公司」などの合弁会社を設立し、インターネットビジネスを強化しています。
また、「北京環球國廣媒體科技有限公司」及び「ドバイテレビショッピングcitruss TV」なども運営しています。