2020年 台湾の業界地図-前編。店舗数、売上、持株関係などを解説。

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2020年 台湾の業界地図。店舗数、売上、持株関係などを解説。

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により世界的に各方面で多大な影響が出た一年であり、景気が悪くなった業界もあれば、大きく儲けた業界もありました。

今回は台湾メディア「未來流通」に掲載されていた「2020年 台湾の業界地図」を紹介します。(記事のボリュームが大きいので前編と後編に分けました。今回は前編です。)

参考記事:【產業地圖圖解】2020年度總盤點,哪些產業在疫情下迎來劇變?

 

①フードデリバリー業界

2020年台湾のフードデリバリー業界

2020年台湾のフードデリバリー業界

2020年、コロナ禍によって最も大きく成長を遂げた業界の一つが「フードデリバリー」であり、特にUberEatsやFoodPandaのようなプラットフォーム企業が大きく成長しました。

業界No.1はフードパンダで、7万以上の飲食店と契約し、台湾の21県市に展開し、台湾人口の88%をカバーし、一年間でユーザー数が160%成長しました。。また、業界No.2はUberEatsで、4万2千以上の飲食店と契約し、台湾の19県市に展開し、一年間でユーザー数が300%成長しました。

フードデリバリーの飲食業界におけるシェアは2019年初旬に0.24%だったのが2019年下旬に1.02%まで成長し、2020年4月には2.79%となりました。また、2020年4月にフードデリバリー業界の経済規模は単月で12億台湾元を達成しましたが、2020年6月には10.8億台湾元まで落ち着いています。2020年上半期で見ると、前年同期に比べて300%成長し、単期の消費金額が初めて30億台湾ドルを突破し、約1500万回の注文がありました。

 

②小売流通業界

2020年台湾の小売流通業界

2020年台湾の小売流通業界

<図の見方>

図中の色は、上から、小売店、Eコマース、飲食店、宅配、電子マネー、観光業を示し、二重丸は持株会社(企業グループ名)を示しています。

また、会社名の上に表示されている数字は店舗数を示し、「出售」は売却、「併購」は買収合併、「持股」は株保有を示しています。

2020年6月にカルフール(家樂福)が香港牛奶國際から全台湾に199店舗ある頂好Wellcomeスーパー及び25店舗あるJASONS Market Placeを買収すると発表し、この買収は12月に公に認められました。統一グループがカルフールの40%の株を保有しているため、カルフールが台湾小売業界で小規模小売店を手中に納めただけでなく、統一グループがさらに勢力を拡大したとも言えます。

統一グループはこの買収にて、台湾で最初の量販店、百貨店、スーパー、コンビニ、Eコマース、宅配サービスなど「生活小売全般」をカバーするグループとなりました。これにより統一グループは、買い付けや物流において有利となる以外に、消費者が人生においてお金をおとすほぼ全てのルートを確保するという大きなアドバンテージを得ました。

 

③Eコマース

2020年台湾のEコマース業界

2020年台湾のEコマース業界

<図の見方の説明>

図中の色は、左から、プラットフォーム、電子マネー、その他多元サービス、越境販売、持株会社(企業グループ名)、物流を示しています。

また、持株会社の上に表示されている数字はSimilarWebに基づいた2020年1月〜5月の月平均のPV数を示し、「出售」は売却、「併購」は買収合併、「持股」は株保有を示しています。

蝦皮購物(図中左上に分布)は月平均PVが4,900万に達し、台湾でPVがもっとも多いプラットフォームになりました(売上や利益が最も高いというわけではありません)。また、蝦皮購物はC2CからB2Cへと切り替え、2019年後半にフードデリバリーサービスを展開し始め、これらは高い成長率を実現する動力となりました。そして、台湾における2大Eコマース事業主であるmomo(図中左に分布)とPChome(図中中央に分布)に対抗するため、現在蝦皮購物はプラットフォームをより多元的に展開しています。例えば、オンライン旅行や越境販売など、人々の生活を支援するサービスを提供しています。

また、近年は単なるEコマース事業ではなく、人々の生活全般をサポートする多元的事業を展開する日系企業・楽天グループ(図中右上に分布)も大きく成長しています。楽天グループはEコマース業から始まり、物流、フードデリバリー、旅行、ポイント、クレジットカード、電子マネー、銀行、保険、証券、車検、チケット、メディア、通信など、70以上にわたる領域において幅広いサービスを展開しています。また、これらは共通のIDで利用することができます。

 

④飲食チェーン店

2020年台湾の飲食チェーン店

2020年台湾の飲食チェーン店

<図の見方の説明>

図中の色は、左から、レストラン、カフェ、ドリンクスタンド、ファストフード、ベーカリー、かき氷、フードデリバリー、自社ブランド、会員制、海外展開を示しており、二重丸は持株会社(企業グループ名)を示しています。

2020年上半期は新型コロナウイルスの影響により大きなダメージを受けました。台湾の飲食業界は直近3年は安定して3%程度の成長率を維持していましたが、2020年2月から4月にかけては17%〜23%のマイナス成長となりました。5月以降は回復傾向にありますが、それでも過去2年間と比べると低い水準にあります。

(他の業界については別のコラムで引き続き解説させていただきます!)

参考記事:【產業地圖圖解】2020年度總盤點,哪些產業在疫情下迎來劇變?

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