台湾高雄市長の罷免投票まとめ。実施の理由、結果予想について。

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現職の高雄市長・韓國瑜氏

 

2020年6月6日、台湾の高雄市長の罷免投票が行われます。

日本ではあまり聞きなれない「罷免投票」という言葉。

実は台湾(中華民国)でも歴史上初めてのことだそうです。

では、なぜ一度選挙で選ばれた市長を辞めさせるという動きが出ているのでしょうか?

今回は罷免投票実施の理由・背景・結果予想などについて解説していきます。

 

◾️現職の高雄市長・韓國瑜氏について

現職の高雄市長・韓國瑜氏

現職の高雄市長・韓國瑜氏

現職:高雄市長

政党:中国国民党

スタンス:中道右派

経歴:台北県議員、立法委員、中和市副市長などを経て、2018年11月に高雄市長に当選。2020年1月の総統選挙に出馬するも、民進党の蔡英文氏に敗北。

2018年高雄市長選で打ち出した政策:太平島での石油発掘、香港競馬の台湾での開催、F1レースの開催、高雄ディズニーランド構想、アーノルド・シュワルツェネガー氏の講演会の実施、愛情観覧車の建設、旗津カジノの設立など。

2020年総統選で打ち出した政策:現与党の年金制度改革に反対、学費ローンを政府が支払う、交換留学生の学費を一年間支給、台湾人の子を妊娠した外国人配偶者・中国人配偶者の即時保険加入(現在は台湾に満6ヶ月住まないと加入できない)など。

 

◾️高雄市長罷免投票実施の背景

高雄市長罷免投票実施の背景

高雄市長罷免投票実施の背景

2018年11月の県市長選挙(統一地方選)にて、韓國瑜氏は892,545票(得票率53.87%)を獲得し、高雄市長に当選しました。

しかし、2018年12月に高雄市長に就任するも、2019年5月には2020年中華民国総統選への出馬を表明します。

現職市長による総統選への出馬は法律で禁止されていませんが、これには市民の強い反発がありました。

なぜなら、2018年の県市長選挙時に掲げた政策を何も達成することはなく、実質それらを放棄する形になるからです。

こうして、We care高雄の発起人・尹立氏、公民割草行動の発言人・李医師、台湾基進新聞輿情部の副主任・張博洋氏、前高雄気爆自救の会長・陳冠栄氏などが中心となり、中央選挙委員会に対して高雄市長罷免の議定書が提出されました。

その後、高雄市民による高雄市長罷免投票の署名活動を経て、2020年4月17日に中央選挙委員会は6月6日の罷免投票実施を正式に公表しました。

 

◾️高雄市長罷免投票の規定

高雄市

高雄市

①投票権
投票日の前日までに満20歳であり、高雄市に戸籍を移して4ヶ月以上の者。

②罷免条件
・有効同意票が有効不同意票を上回ること。
・有効同意票が選挙区内の投票者総数の4分の1以上であること。

 

◾️高雄市長罷免投票の結果調査および予想

高雄市長罷免投票の結果調査および予想

高雄市長罷免投票の結果調査および予想

 

調査結果

調査日 調査機関 サンプル数 投票参加率% 投票参加および同意率% 罷免賛成率% 罷免反対率 その他%
2020-05-08 蘋果新聞 1,082 50.2 37.3 65.0 20.4 14.6
2020-05-05 寶島通訊 1,090 47.5 36.0 55.1 32.0 12.9
2020-04-20 時代力量 805 43.7 33.2 52.1 35.2 12.7
2020-03-20 新台灣國策智庫 1,087 51.2 39.5 59.5 34.5 6.0
2020-02-07 TVBS 1,213 44 34.8 53 32 16
2020-01-16 ETtoday新聞雲 1,768 不適用 不適用 63.4 42.2 3.4
2020-01-14 TVBS 1,030 データなし データなし 53 32 15
2020-01-14 台灣指標民調 1,072 65.1 58.2 58.5 29.8 11.7

参考資料:Wikipedia(https://zh.wikipedia.org/wiki/2020年高雄市市長韓國瑜罷免案)

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