10/12、台湾の旅行業界に大きなニュースがありました。
現在、台湾-パラオ間での旅行解禁を検討しています。
解禁となれば、14日間の隔離がないのはもちろん、半年ぶりにビザなしで海外旅行ができるようになります。
【目次】
台湾とパラオはなぜ旅行解禁を検討している?
この度、台湾とパラオの間で旅行解禁を検討しているとのことですが、これにはいくつか理由があります。
まず一番大きな理由が「台湾もパラオも新型コロナウイルスの感染者がほとんどいない」というものです。
次に「どちらも島なので他の土地との接触がない」というものです。
そして最後に「台湾とパラオは国交を結んでおり友好国関係にある」というものです。
これだけの条件が揃っていると感染の心配はありませんし、政府間での話し合いがスムーズにできます。
台湾-パラオ間の旅行解禁の条件
それでも両国は今回の旅行解禁に慎重です。
ただ旅行を解禁するのではなく、いくつかの条件を設定するという話が挙がっています。
<旅行解禁の条件>
- 自由旅行は禁止。団体旅行のみ解禁。
- 旅行前に陰性の検査結果を提出。
- 医療保険に加入。
- 旅行中の食事は指示に従う。
この通り、十分に準備した上での旅行になるわけです。
団体旅行であり、食事も指定されるなど、自由はあまりありません。
台湾-パラオ間の旅行解禁により経済的な利益はどの程度ある?
2019年、パラオを旅行した台湾人は1万5511人でした。
一方、2019年に台湾を旅行したパラオ人は1210人でした。
ご覧の通りインバウンドにしろアウトバウンドにしろ元々人数は多くありません。
よって、今回台湾-パラオ間の旅行を解禁しても、台湾にとってはそこまで大きな利益は期待できないでしょう。
しかし、パラオにとって台湾は旅行客数世界第二位であり、今回の解禁により旅行業が潤うことが期待されます。
特に、現在は他の国に行くことができないので、2019年よりも多くの台湾人がパラオを訪れる可能性が高いです。
台湾、国交のある各国との「トラベルバブル」を検討
トラベルバブルとは、アフターコロナに地理的・社会的・経済的に結び付きが強い隣国どうしが一つのバブルの中に包まれていると見なし、新型コロナウイルスに対する感染防止策を講じた上で海外旅行をする取り組みのことです。(Wikipediaより)
台湾ではトラベルバブルのことを中国語で「旅遊泡泡」と言います。
台湾は今後、セントビンセントおよびグレナディーン諸島やマーシャル諸島などの国交がある国との「旅遊泡泡」も検討しています。
台湾と国交があるオセアニアやカリブ海の国は人口が少なく感染者もほとんどいません。
このような背景から、今後台湾とその国交国との「旅遊泡泡」は加速していくことでしょう。
他国の状況
ニュージーランドの防疫が非常に成功しているため、シンガポールやオーストラリアなど近隣国がニュージーランド人の隔離なし入国を検討しています。しかし、ニュージーランド側は入国者(自国民含む)の14日間の隔離を継続するため、本当の意味での旅行解禁はまだ先のことになりそうです。
また、香港は9月から日本、タイ、シンガポール、ドイツ、フランスなど11カ国と隔離なし入国について話し合っているが、感染者数が減少しないため実現には至っていません。
この通り、今のところ「旅遊泡泡」を実現させた国は未だありません。台湾とパラオが合意に至れば、世界で最初の「旅遊泡泡」となります。
参考記事:首波旅遊泡泡 台灣帛琉團體行