「台湾経済は調子が良い!」という話を聞くけれど、具体的に台湾経済はどのくらい強いのでしょうか?
ここでは台湾経済に関する各統計データを見ながら、台湾経済の強さを確認していきます。
具体的には、名目GDPの推移、平均給与、都市別の経済規模などをまとめています。
この記事を読むだけで、台湾経済の現状が分かります。それでは早速解説していきます。
(2024年11月現在の為替レート:1台湾元=4.74円)
【目次】
強い台湾経済。2024年に日本を超える一人当たりGDP。
IMFが公表するデータによると、台湾の一人当たりGDPは2024年に33,230ドルとなり、日本の32,860ドルを超えます。
これは米ドルベースの数値であるため、円安が大きく関係していることは間違いありません。
とはいえ為替レートも国の経済力を示す指標と考えると、やはり台湾は日本を超えたと言えます。
参考資料:IMF
台湾名目GDPの推移
年 | 名目GDP |
2025年(114年) | 26,449,304(百万元)※予想 |
2024年(113年) | 25,234,15(百万元)※予想 |
2023年(112年) | 23,544,961(百万元) |
2022年(111年) | 22,679,843(百万元) |
2021年(110年) | 21,663,231(百万元) |
2020年(109年) | 19,914,806(百万元) |
2019年(108年) | 18,908,632(百万元) |
2018年(107年) | 18,375,022(百万元) |
2017年(106年) | 17,983,347(百万元) |
(2024年11月現在の為替レート:1台湾元=4.74円)
台湾の人口は約2342万人で、日本の5分の1以下です。
日本に比べると経済規模はかなり小さいです。
ただ、台湾のGDPは毎年3%以上の成長率を保っており、経済は継続的に伸び続けています。
参考資料:中華民國 統計資訊網
台湾 都市別の経済規模
台湾の都市別GDPに関する信頼できるデータが見つかりませんでしたので、都市別の経済規模を知る指標として、ここでは中華民国主計処が2023年に公表した各都市の人口と年収中央値をまとめました。
人口の順位(全22箇所) | 行政区 | 面積 (km2) |
人口 (2024年9月) |
台湾の総人口に占める人口割合 | 2022年末から 2023年末までの 人口の増減 |
年収の中央値 | 年収の中央値の順位(全20箇所) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 新北市 | 2,052.5667 | 4,046,022 | 17.3% | +45,569 | 52.2万元 (約249円) |
6 |
2 | 台中市 | 2,214.8968 | 2,854,190 | 12.2% | +31,450 | 48.6万元 (約232円) |
10 |
3 | 高雄市 | 2,951.8524 | 2,732,805 | 11.7% | +9,804 | 50.9万元 (約243円) |
8 |
4 | 台北市 | 271.7997 | 2,498,210 | 10.7% | +31,205 | 70.1万元 (約334円) |
2 |
5 | 桃園市 | 1,220.9540 | 2,332,998 | 10% | +35,981 | 58.0万元 (約276円) |
4 |
6 | 台南市 | 2,191.6531 | 1,859,013 | 7.9% | +6,949 | 49.7万元 (約237円) |
9 |
7 | 彰化県 | 1,074.3960 | 1,228,612 | 5.2% | -6,191 | 43.4万元 (約207円) |
19 |
8 | 屏東県 | 2,775.6003 | 790,315 | 3.4% | -3,706 | 45.4万元 (約216円) |
17 |
9 | 雲林県 | 1,290.8326 | 659,085 | 2.8% | -4,624 | 48.4万元 (約231円) |
11 |
10 | 新竹県 | 1,427.5369 | 593,100 | 2.6% | +8,786 | 69.2万元 (約330円) |
3 |
11 | 苗栗県 | 1,820.3149 | 533,219 | 2.3% | -557 | 55.4万元 (約264円) |
5 |
12 | 嘉義縣 | 1,903.6367 | 480,190 | 2% | -3,598 | 46.4万元 (約221円) |
14 |
13 | 南投県 | 4,106.4360 | 473,365 | 2% | -2,501 | 46.7万元 (約223円) |
13 |
14 | 新竹市 | 104.1526 | 457,441 | 1.9% | +4,002 | 82.1万元 (約392円) |
1 |
15 | 宜蘭県 | 2,143.6251 | 449,142 | 1.9% | +828 | 48.6万元 (約232円) |
10 |
16 | 基隆市 | 132.7589 | 361,519 | 1.6% | +729 | 51.8万元 (約247円) |
7 |
17 | 花蓮県 | 4,628.5714 | 315,750 | 1.3% | -1,403 | 48.0万元 (約229円) |
12 |
18 | 嘉義市 | 60.0256 | 262,553 | 1.1% | +660 | 46.3万元 (約221円) |
15 |
19 | 台東県 | 3,515.2526 | 210,400 | 0.9% | -1,007 | 45.4万元 (約216円) |
16 |
20 | 金門県(離島) | 151.6560 | 143,774 | 0.6% | +2,854 | データなし | データなし |
21 | 澎湖県(離島) | 126.8641 | 107,829 | 0.5% | +516 | 44.5万元 (約212円) |
18 |
22 | 連江県(離島) | 28.8000 | 13,975 | 0.1% | +56 | データなし | データなし |
年収中央値が一位の新竹市と三位の新竹県は半導体関連の会社や工場が集まる場所です。
台湾を代表する大企業やエリートが働いているため所得が高くなっています。
二位の台北市は首都機能のある都市であり台湾を代表する大企業や金融機関が集まるエリアです。
所得が高いのも当然でしょう。
四位の桃園市には桃園国際空港があり航空関連の会社が集まっています。
五位の苗栗県はあまり聞き慣れない地名かもしれませんが、実は一位の新竹市や三位の新竹県から近く十分に通勤可能であるため、半導体関連企業の社員が平均を押し上げていると考えられます。
参考資料:不是雙北!全台「薪水最多縣市」排行出爐,冠軍年收入平均121萬
台湾の最低賃金の推移
年 | 最低賃金 |
2024年(113年) | 月給27,470元、時給183元 |
2023年(112年) | 月給26,400元、時給176元 |
2022年(111年) | 月給25,250元、時給168元 |
2021年(110年) | 月給24,000元、時給160元 |
2020年(109年) | 月給23,800元、時給158元 |
2019年(108年) | 月給23,100元、時給150元 |
2018年(107年) | 月給22,000元、時給140元 |
2017年(106年) | 月給21,009元、時給133元 |
(2024年11月現在の為替レート:1台湾元=4.74円)
ここ7〜8年ほどで最低月給は約1.3倍に、最低時給は約1.376倍になっています。
直近の2024年の最低賃金は月給27,470元、時給183元です。
これを日本円に換算すると、月給13.03万円、時給868円となります。
日本よりはまだ低いですが、円安効果もありだいぶ追い上げて来ている印象です。
参考資料:中華民國 勞動部
台湾の平均給与の推移
2024年11月に台湾Yahoo!のニュース記事に掲載されていた中華民国統計局のデータによると、2024年9月の正社員の平均月収は49,335元(約234,424円)であり、前年同月比で3.52%プラスだったことが分かりました。また、月給に残業代やボーナスを含んだ平均月収は59,739元(約283,861円)であり、前年同月比で3.85%プラスだったことが分かりました。
また、平均時給は207元(約983円)であり、同年前月比で0.49%プラス、前年同月比で4.02%プラスでした。
中華民国統計局のデータのほか、ネット上では台湾の大手求人サイト「104」が独自に調査した平均給与も見つけることができました。
104は2015年からの推移を示しており、それぞれの数値を以下の表にまとめましたのでご覧ください。
年 | 平均月収 |
2024年(113年) | 4.7万元(前年比5.35%上昇) |
2023年(112年) | 4.4万元(前年比3.57%上昇) |
2022年(111年) | 4.3万元(前年比4.27%上昇) |
2021年(110年) | 4.1万元(前年比2.22%上昇) |
2020年(109年) | 4.0万元(前年比1.61%上昇) |
2019年(108年) | 3.9万元(前年比1.23%上昇) |
2018年(107年) | 3.9万元(前年比0.89%上昇) |
2017年(106年) | 3.9万元(前年比0.63%上昇) |
2016年(105年) | 3.8万元(前年比0.74%上昇) |
2015年(104年) | 3.8万元 |
中華民国統計局のデータでは2024年の平均月収は4.9万元だったので、少し乖離があります。
あくまでも求人サイト104に掲載されている求人をもとにしたデータであり、独自の調査であることにご留意ください。