国内独自のSNSアプリが発展している中華人民共和国。
日本からはなかなかわかりにくい中国のインターネット利用状況と、人気のアプリをピックアップして紹介します。
◆ネット人口概観
2016年末の中国ネット利用者人口は7億3,125万人(下記グラフのオレンジ色の頂上)、これに対して携帯電話からのネットアクセスの人口は6億9,531万人(青色の頂上)でネット全体の9割強を占める。中国でネットと言えば携帯電話(スマートフォン)からと考えてよい水準だ。
とはいえ普及率では約5割であり、依然として巨大なポテンシャルを持つことがわかる。
◆中国ネット利用時間
2012年以降、ユーザーのネットにかける時間は上昇を続けたものの、2014年以降毎年ほぼ26時間程度で安定している。つまり、どのように優れたサービス、プロモーション、キャンペーンをしかけたとしても、週26時間という壁を破るのは難しいということになる。ユーザーが他のネットサービスを使用している時間を奪う形でしか、ユーザーを自社に振り向かせるのは難しく、「可処分時間」というシェアの奪い合いが、現在の中国におけるネットでの基本ルールであるといえる。
※ちなみに、日本:約11.3時間/週(平日5日+休日2日換算)
データ出処:総務省
◆人気SNSアプリ動向
2016年もWechatの強さは圧倒的だったが、一方で出会い系、コミュニケーション系、ライブ動画系等、SNSのカテゴリーが多様化した一年となった。また新浪Weiboも停滞を抜けだし復活している。
その流れに乗り、2017年上半期人気のSNSアプリ(ダウンロード数トップ10)がこちら。
ユーザー数8億を越えるトップアプリ。通話から決済まで社会インフラ化。日本での決済対応も進む(チャットアプリ)。 | ||
Wechatを運営するテンセント社のメッセンジャーアプリ。若者のコミュニケーション、ECサイトのオンライン接客では、QQのシェアが非常に高い。 | ||
陌陌(MoMo) | 登録ユーザー8,000万人を誇る、出会い系SNS。GPS機能により身近にいるユーザーとグループを作り会話することができる(チャットアプリ)。 | |
YY語音 | アクティブユーザー数1億。グループ通話機能から人気を獲得し、その後総合チャットアプリへと成長(チャットアプリ)。 | |
遇見 | 登録ユーザー数5,000万人。中国を代表する出会い系SNS、風紀を乱すと批判されながらも順調に成長(チャットアプリ)。 | |
映客 | 中国で最初に動画ライブ機能を搭載した老舗動画アプリ。2015年に他社に先駆けライブ動画サービスを開始、中国のライブ動画ブームを牽引。 | |
探探 | 日アクティブユーザー数500万を越える、SNSアプリ。特に90後(90年代もしくはそれ年以降生まれの人々)の間で人気が高く、現代の若者の必須ツールに。 | |
視吧 | ライブ動画アプリ。投げ銭機能が充実しており、ライブでお金を稼ぎたいユーザーの間で大人気となった。 | |
比隣 | 陌陌、遇見等と並ぶ、人気拡大中の中国出会い系SNS。特に若者の間で人気が高く、スタンプ、ステッカー等が充実しているのが特徴。 | |
新浪weibo | 一時期の停滞から見事復活。Wechatとは異なるオープンSNS的アプローチで、順調に成長を続けている。 |