中国と台湾でこんなに違う!旧正月(春節)の過ごし方の違い。

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先日、旧正月に関する興味深いコラムを発見しました。
原來中國新年可以這樣過?兩岸過年大不同(中国と台湾の旧正月の過ごし方の違い)

今回はこのコラムの内容を元に、中国と台湾の旧正月の過ごし方の違いを解説します。
※2020年は大晦日が1/24で、元旦が1/25となります。
※文中の「春節」「旧正月」はどちらも中国新年を指しています。

■中国では毎年春節を過ごす場所が交代制になっている

台湾では、中国の伝統文化に基づき、春節の前日・除夜と旧暦1月1日は旦那の実家で過ごし、旧暦1月2日は嫁の実家で過ごすのが一般的です。
しかし、中国は一人っ子であるため、隔年でお互いの実家を行き来する家庭が多いそうです。
(今年は嫁の実家で過ごし、翌年は旦那の実家で過ごす)

■旧正月に見る番組が違う

旧正月に中国人が見る番組といえば「春晩」が有名です。
春晩は、中国中央電視台(CCTV)が毎年春節(旧正月)の前日・除夕の中国標準時20:00から旧暦1月1日の春節を跨いで行っている年越し番組です。
日本でいう紅白歌合戦のような位置付けであり、歌手によるライブ、京劇やコントなど様々な演目が展開され、国民みんなで旧正月を祝います。

しかし、中国ではよく見られる春晩も、台湾ではあまり見られることはありません。
台湾には“超級巨星紅白藝能大賞”という日本の紅白歌合戦を真似た番組があり、それが台湾の旧正月の定番番組となります。
ルールも日本の紅白に似ていて、歌手が紅組と白組に分かれてパフォーマンスをし、最後に視聴者がオンライン投票をして勝ち組を決めます。

■台湾には春運がない

中国では毎年春節の時期になると「春運」という現象が起こります。
これは帰郷にともない起きる交通量の増加を指す言葉です。

中国では春運は春節の風物詩ですが、実は台湾には春運がありません。
台湾人は毎年テレビで春運を目にし、好奇の眼差しで眺めているだけです。

■春節料理の準備の仕方が違う

中国では、春節料理を自分で調理する必要がありません。
毎年春節が近づくと、スーパーやホテルやテレビショッピング番組などが春節料理を売り出し始め、それを購入するのが習慣になっているからです。
春節料理を一式セットで買うこともできるし、単品注文することもできます。
春節料理の業者による競争は毎年激しくなっており、売り上げも毎年伸びているそうです。

一方、台湾では春節料理は家庭で作るのが一般的です。
魚料理や長寿料理や佛跳牆などの家庭料理を作る習慣があります。

■台湾人は春節に宝くじを買う

台湾では春節に宝くじを買う習慣があります。
一年の運気を確かめる意味があり、この時期は宝くじ業者にとって一番の書き入れ時です。
いつもより賞金の額が高くなるなど(例:一等は1億台湾元/約3.5億円)、盛り上がりはものすごいものがあります。

一方、春節期間中、中国大陸の宝くじ屋さんは店が開いていません。
よって、宝くじを買う習慣はありません。

■お年玉の習慣が違う

中国と台湾では、春節にお年玉(中国語:紅包)を送る習慣があります。
中国では、現在は時代の変化に合わせて微信支付(wechatpay)で払うのが一般的なようですね。
ただし、台湾は微信が定着していないため、微信支付(wechatpay)を使用する人は非常に少ないです。

台湾は現金を使う習慣がまだ残っており、多くの人が現金でお年玉を渡しています。
また、台湾には「總統紅包(大統領のお年玉)」という面白いイベントもあります。
これはその名の通り、台湾総統がお年玉を国民に配るというイベントです。
金額は1元ととても少なめですが、“一元復始(一年を新たにスタートさせる)”という意味が込められており、多くの人が總統紅包を手に入れるため列に並びます。

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