台湾のネットショッピングセール「双十一」について。売上や人気商品は?

コラム 台湾

台湾のネットショッピングセール「双十一」について。売上や人気商品は?
台湾のネットショッピングセール「双十一」について。売上や人気商品は?

台湾のネットショッピングセール「双十一」について。売上や人気商品は?

「双十一」は中華圏におけるネットショッピングのセールイベントです。

ここでは台湾の「双十一」について詳しく知ることができるように売上や売れ筋の人気商品についてまとめています。

 

「双十一」とは?

「双十一」とは、2009年に中国のアリババグループの「淘宝(タオバオ)」が始めたオンラインショッピングのセールイベントです。毎年11月11日に開催されることから「双十一」と言います。

「双十一」は毎年のように行われ、参加するECプラットフォームの数や売上は年々増え続けています。台湾では2011年にYahooモール台湾が、2012年にPC homeとMomoが「双十一」のセールイベントを開始し、現在では台湾の多くの大手ECサイトが「双十一」のセールを開催しています。

なお、台湾では簡体字ではなく繁体字で「雙十一」と表記します。(発音は中国も台湾も同じです。漢字が異なるのみです。)

 

台湾の「双十一」の特徴

台湾の機関「資策會產業情報研究所(MIC)」の調査によると、台湾の「双十一」には以下のような特徴があることが分かりました。

特徴①:台湾人は週年慶セールよりも双十一を好む

台湾人は数あるショッピングセールの中で、双十一(60.4%)に最も多くのお金を使う傾向があり、次いで祝祭日(28.7%)、百貨店の週年慶セール(24.3%)、ブランドの週年慶セール(20.1%)と続いています。年齢別では、双十一は全ての年齢層で最も多くお金が消費されているショッピングイベントであり、26~35歳の層では70%以上が双十一でお金を使う意向を示しています。

※週年慶…台湾で一年に一回行われる大規模なセール。通常、デパートで開催される。

特徴②:台湾人は全てのオンラインショッピングイベントの中で双11を最も重視

台湾で行われるオンラインショッピングのセールイベントの中で最も人気があるのは依然として双十一(84.9%)であり、次いで双十二(43.1%)、618購物節(40.9%)となっています。

特徴③:台湾ではプレゼントプロモーションが最も人気

台湾で最も人気なプロモーション手法は追加で贈呈品がもらえる「プレゼントプロモーション」であり、次いで抽選イベント、会員ポイント/ランクアップ、ミッション達成イベント、スタンプ収集イベントなどが続きます。

参考記事:【圖解】雙11玩了多年,還是大家最愛的「清空日」?3大發現,拆解電商期末考

 

台湾におけるネット小売の売上額推移

台湾におけるネット小売の売上額推移

台湾におけるネット小売の売上額推移

これは中華民国経済部(日本の経済産業省に相当)が発表しているインターネット小売業の売上額の推移になります。

双11期間のみのデータではないですが、毎年第4季(10月から12月)に売上が伸びていることが分かります。

 

以下に、このグラフの数値を抜き出してみました。

民国110年2季(2021年4月から6月):1,390億台湾元

民国110年3季(2021年7月から9月):1,370億台湾元

民国110年4季(2021年10月から12月):1,579億台湾元

民国111年1季(2022年1月から3月):1,462億台湾元

民国111年2季(2022年4月から6月):1,539億台湾元

民国111年3季(2022年7月から9月):1,435億台湾元

民国111年4季(2022年10月から12月):1,767億台湾元

民国112年1季(2023年1月から3月):1,496億台湾元

民国112年2季(2023年4月から6月):1,552億台湾元

民国112年3季(2023年7月から9月):1,502億台湾元

民国112年4季(2023年10月から12月):1,814億台湾元

民国113年1季(2024年1月から3月):1,551億台湾元

民国113年2季(2024年4月から6月):1,588億台湾元

台湾における小売業全体に占めるネット小売業の市場規模は13%から15%程度となります。

ネット小売の市場規模は大きくないですが、それでも現地では期間中に販促広告を目にすることが多いため、盛り上がりを感じることができます。

※2024年10月現在、1台湾元=約4.6円

参考記事:中華民国経済部 統計データ

 

企業別の売上の変化

台湾EC最大手の「momo」は、2023年11月単月の連結売上高が151.6億元となり、前月比90.83%増、前年同月比4.27%増となり、単月として過去最高を記録したと発表しました。また、台湾EC二番手の「PChome」は、2023年11月単月の連結売上高が約48.62億台湾元となり、前月比36.08%増、前年同月比7.87%減となったと発表しました。

やはり毎年11月は他の月に比べて売上が大幅に上昇することが分かりました。ただし、大手ほど伸び率が高く、小さなECサイトほど伸び率が小さくなる傾向があるのは確かです。大手の方が思い切った割引やプレゼント企画を行うことができ、取り扱う商品の種類も多いため、より多くの人が利用すると考えられます。

※2024年10月現在、1台湾元=約4.6円

参考記事:雙11助攻 富邦媒11月營收151.6億元創單月新高

 

2023年、双十一で台湾人が最も購入した商品は?(売れ行きが良かった人気商品)

資策會產業情報研究所(MIC)の調査によると、2023年の双十一で台湾人に最も人気のあった商品ジャンルは以下の通りとなりました。

一位:衛生用品(33.5%)

一位:美容関連用品(33.5%)

三位:パソコン及びスマホ関連製品(29.8%)

四位:衣服(29.6%)

五位:家具及び生活用品(25.4%)

六位:アクセサリー(23.3%)

七位:お菓子、ドリンク(22.6%)

八位:家電(22.2%)

九位:チケット(19.1%)

十位:医療品(18.1%)

参考記事:【圖解】雙11玩了多年,還是大家最愛的「清空日」?3大發現,拆解電商期末考

 

また、以下は潮網科技というネットマーケティング会社が2023年の双11前後にネット上に投稿されたポストや記事の数を独自に集計し、各商品ジャンルの注目度を調査した結果です。

一位:食品・ドリンク(数量:40,000件以上)

二位:衣服(数量:39,000件以上)

三位:パソコン及びスマホ関連製品(数量:20,000件以上)

四位:美容関連用品(数量:20,000件以上)

五位:生活家電(数量:20,000件以上)

六位:生活消費品(数量:5,000件未満)

参考記事:拿下雙 11,衝刺雙 12!網路趨勢大調查,帶你掌握下檔購物季商機

 

他、台湾EC最大手「momo」は、2023年双十一のセール開始一時間で多く売れた商品のトップ10を公表しています。

iPhone 15 Pro 画面保護フィルムとケースのセット

サムスン Galaxy S23 Ultra

追覓科技 L20 Ultra AIお掃除ロボット

煙波大飯店(ホテル)の宿泊セットチケット

NEW BALANCE momoオリジナルスニーカー

パンパース おむつ

BRITA MAXTRA Plus 濾過フィルター

大研生醫omega-3 84% フィッシュオイル

OLAY white radiance(革糖素小白瓶)

湛盧咖啡のドリップコーヒー

momoはセール開始の最初の一時間で通常の一日の合計を遥かに凌ぐ売上を叩き出したと公表しています。

具体的には、パソコン及びスマホ関連商品が通常の一日の67倍、家電が34倍、美容関連商品が33倍だったとのことです。

参考記事:momo富邦媒2023《雙11超狂購物節》開跑不到10分鐘業績破億、熱銷品類飆67倍成長

 

双11で特に人気があった日本の商品

残念ながら「双11で売れた日本商品」に関するデータを見つけることはできませんでした。

しかし、台湾やその他の外国製品も含めた総合人気ランキングでは日本の商品をちらほら目にすることがあります。

例えば、ニンテンドースイッチ、SKⅡの化粧品、トクヨのマッサージチェア、富士フィルムのカメラ、SONYのPS5などは何度もその名前を目にしました。

これらの商品は台湾人にとって人気の日本商品と言えるでしょう。

参考記事:【2024最新】十大雙11優惠推薦排行榜

参考記事:Yahoo奇摩購物雙11買氣夯!高單商品訂單漲7成、熱銷Top5大公開

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