2019年6月6日、中国工业和信息化部(略称:工信部)が中国移动,中国联通,中国电信,中国广电の4社に5Gビジネス化許可書を配布しました。2019年10月31日に、中国の代表的な通信業社(中国移动,中国联通,中国电信)が、5Gのサービス内容と料金を公表し、2019年11月1日に正式的にサービスがスタートしました。
中国では、5Gを使用できる都市は:
北京、上海、广州、深圳、杭州、南京、天津、武汉、济南、郑州、苏州、青岛、重庆、成都、宁波、温州、嘉兴、绍兴、东莞、佛山、中山、珠海、无锡、常州、南通、沈阳、长沙、大连、兰州、福州、石家庄、太原、西宁、西安、厦门、贵阳、雄安、呼和浩特、南宁、海口、哈尔滨、南昌、合肥、银川、昆明、长春、泉州、柳州、鹰潭、乌鲁木齐
の50都市になり、2019年が5Gビジネス化元年になります。
5Gは通信業と学術業の新しい話題として、日々増加しているモバイル通信量に対応するインフラとなります。モバイル通信技術は、インターネットの基礎とデーター技術の柱として、インターネットと経済の発展方向を一定的にリードしています。今までのモバイル通信より高容量低遅延のメリットがある5Gは、色々なサービスが企画・発表され、ビジネスとしての期待も高まっています。
通信業社により提供される5Gサービスが異なりますが、以下の領域でのサービスが中国社会発展に大きな貢献をしています。
【目次】
智能ネット(インテリジェントネットワーク)
複数の別れた独立したネットワークが並行して動く、5Gネットワークスライシング技術は、ネットワーク運営事業者の各ネットワークが影響しあわないようになっている技術で、互いに影響しあわない独立したネットワークを実現します。と同時に、高性能、高依頼度、独立性と低コストという特徴があり、そのネットワークのことを中国では智能ネット(インテリジェントネットワーク)と呼ばれています。华为(ファーウェイ),爱立信(エリクソン)を含む多くの企業が5Gの智能ネット活用サービスを提供しています。
現在中国では5G技術に影響される産業は大きく分けて8つあると言われています。
防犯
防犯は最も影響の大きい産業の1つです。公共安全機構に期待された5G技術とIoTが世間一般の安全を更に守り、且つ納税者から納めた税金の無駄使いを減らすことに繋がります。5Gの利用により、遠距離防犯と迅速反応を簡単に実現し、防犯品質と効率が最大限にアップします。
VR
V Rは以前より市場ができており、市場に評価を得ています。しかし、ほとんどのV R設備を設置する時の目眩感問題が解決できません。それは、4Gネットの遅延性が高く、V R画像伝送と処理需要に応えられないからです。5Gの高スピード、低遅延性がV Rの技術的な困難を乗り越え、より良いVR体験を提供できます。
中国移動が提供している大量の通信量を使うサービスで、5Gの特色を応用できるVR製品として巨大な超ハイビジョン映画、360°全景タッチプレー、VR Live、アイドルインタラクティブ、VRゲームの5大応用シーンがあります。顧客に全身に影響する没入体験やいつでもどこでも臨場感がある視覚サービスを提供しています。
5G+V Rにより、Live画面を更に綺麗に映すことができ、多いシーンに利用されます。5GでスポーツをLive視聴することは新しいブームになっています。ロシアW杯で、W杯の公式パートナーはすでに5Gで試合をLive配信することを試していました。2018年2月に終わった平昌冬季五輪では、インテルと韓国K Tが沢山のシーンで5G、V R技術等を導入し、冬季五輪試合を新しいテクノロジーで盛り上げることに貢献しました。
AR
仮想と現実の境目を無くしインタラクティブ性をあげる5G時代のARは、仮想のキャラクターやイメージと現実シーンを融合するにより、顧客に特別なオジリナルの新しい動画視聴体験を提供します。顧客は自ら仮想イメージを創り、或はプラットフォームが提供した仮想イメージから選択して、現実のシーンで撮影できます。
ARと5Gを組み合わせ、A R顧客の体験をアップできます。5GがA Rに更に多くで活用されることを促進します。
有人サポート自動運転&遠距離操作自動運転
2012年5月にグーグルがアメリカで有人サポート自動運転車両許可証の取得に端を発し、有人サポート自動運転が全世界の注目を集めました。一方でUberの運転事故のような安全リスクにより、有人サポート自動運転に不安も広がっています。5Gモバイル技術の大容量と低遅延の特性により、自動運転を実現できるようになってきています。重慶車両検査研究院と協同展開した研究院内の自動ドライブテストで、自動ドライブ、正確な停車、道路状況を測定し迅速に車の位置を調整するシーンの応用を実現しました。また、スマートフォンアプリを通して、車を呼ぶ、車に載る、停車等のサービスを実現し、外出する際の課題を解決するようになっています。
5G有人サポート自動運転と違って、遠距離操作自動運転シーンは、ドライバーが車内にいる、または人が車内にいない状態で、5Gネットワークで遠距離運転操作をします。それは、ドライバーが自身運転できない或は遠距離車両が危険な環境にいるなど特別なシーンに利用されます。3GPP(モバイル通信システムの標準技術を測定する業界団体)により報告された技術報告書の中で、5G車連(車関係の団体)ネットワークの応用シーンの中で挙げられている種類の1つが遠距離操作自動運転です。华为(ファーウェイ)と沃达(ウォーダー)が5G遠距離操作自動運転テストを完成し、標準5Gネットワークの場合では、50キロ離れた場所から時速20キロの速度で運転している車を、遠距離で操作し、ブレーキ反応誤差が6cmしかありませんでした。
医療
インターネットの発展により、遠距離医療が実現できるようになっています。大都市では良好なネットワーク体験があるが、地方は距離があり、良好なデジタルネットワーク環境を構築することが難しく、遠距離医療の実現も困難でした。
地方の病院に置かれた5G遠距離超音波空中診察室を通して、大都市しかない三甲病院(一番高いレベルの病院。二甲病院、一甲病院とレベル分けされている)の超音科を地方で診察できることを実現しました。市町村部の医師は一台の携帯式のカラー超音波により画像、音声、シーン等を迅速に上級プロ医師にアップロード・報告し、超音波遠距離診察を行えます。普通の人でも近いところで三甲病院レベルの超音波検査を受けることができるようになりました。大都市と地方で受けられる医療レベルの差があるという課題を解決することが期待されています。
物流
5G+V2X(Vehicle 2 Everything)※1は、都市道路、高速道路のテストに成功しました。主に工業インターネットプラットフォームで、アフターサービス品質のアップと部分分割設備金の回収難等多種の問題を解決しました。
また、業界内では5Gとドローンは相性が良いと見られています。5Gが誕生するまでは、ドローンが娯楽目的での利用をメインとしていたため、飛行禁止エリアで飛ばしてしまったりなど問題点を結構指摘されました。5Gとの組み合わせにより、ドローンの応用範囲が拡大していきます。5G物流ドローンは大きな潜在力がある5Gの応用シーンと認められています。実際に1年前から、アマゾン、グーグル等の会社がすでにドローン配達サービスをテストしています。5Gのお陰で、5Gを活用した物流ドローンの利用が大きくなり、配達スピードと信頼性がアップしています。杭州市(浙江省)の事例では全杭州に覆われた5Gによるドローンにも対応しているネットワークを構築し、智能物流(次世代のインテリジェントな物流)を実現し、ドローンを活用した5G+V2Xによる解決方案を実用化しています。
※1参照:V2X最新動向byビューローベリタス
智能工場(次世代型インテリジェンス工場)
智能工場は5Gの代表的な応用シーンになっています。华为(ファーウェイ)の展示にて、9台のロボットが、無線の5Gネットワークより分配協同作業し、迅速に需要に応じて3種類の異なるボールペンを組み立てました。爱立信(エリクソン)の智能工場展示では、参加者が作業員に扮し、画面にタッチするとロボットアームが動き機械の包装や電子回路基盤への取り付けなどを遠距離から操作し、組立までを実現しました。益々多くの企業は、5G技術により超低遅延、高容量と信頼性がある通信を通して、自分の工場を智能工場になるようにしていきます。これからのMWCS(NC旋盤展示会)現場では、5Gを活用した智能工場の展示がブームをリードすると予測されます。
5Gは各業界から、大きな潜在能力を期待されています。各通信業社から提供された5Gサービスにより、生活、通信、安全、医療等多方面から、大きな進歩を期待されています。しかし、宣伝されたメリットが魅力ある一方で、現時点の課題も残っていると考えられます。
プライバシー
現在、中国では、多くの若者が自宅や個人ペースだけでなく、公衆な場合でも、何も考えず通信ビデオやLiveを利用しています。5Gによりの超高ハイビジョンビデオ等を伝送する時に、カメラ前の本体だけでなく、周りの状況もはっきりに映されることになります。その時に勝手に映された人やシーンのプライバシー侵害に対して、どうすれば良いでしょうか。
セキュリティー
5Gにより、大きなデーターが生成され、クラウドにアップロードされます。これらのデーターの中に、色々な個人を特定するデータが入っています。そこで、クラウドの安全を誰が保護しますか?保存されたデーターを勝手に利用される危険性がないのでしょうか?ウィルスやデーター盗難に遭遇する時、その責任が誰が負担しますか?勝手にデーター漏洩とかよく発生している中国の現状では、このデーターに関する安全性を大切にしなければならないと思っております。
値段
中国にある3つの通信事業社から発表された5Gコースの値段は、最も安いものは128元(2000円、為替レート1:15.5の場合)/月になります。それは基本料金であり、ネット容量とスピードにより、コース費用も異なります。現在の4Gと比べて、5Gの通信容量が大幅にアップすることにより、料金方式も変更になります。4Gは通信容量による定価が決まっていましたが、5Gはネットスピードにより定価が変動する形に変化します。
2019年11月現在、普通の人が携帯費用100元/月を超えない現状では、5Gコースの費用が大幅に超え、通信料金が大幅にアップします。そのため、切実なニーズがあるわけではない普通の人には、5Gの利用率があまり伸びないと考えられます。
無論、5Gネットにより、生活も仕事を便利になり、省エネに迅速に対応できるようになります。しかし、存在した課題も無視してはならないと思います。いくら高ハイビジョンと言っても、中国の普通の生活に浸透するまでは、かなり時間がかかるかもしれません。