日本のスーパー「LOPIA」が今台湾で大人気です。
どれくらい大人気かというと、週末はお客さんでいっぱいになり店内が歩きにくくなるほどです。
実際、台湾のテレビメディアやビジネス誌もその人気の理由を報道しています。
↑台湾の有名ビジネス誌「商業週刊」がYoutubeチャンネルで「LOPIAはなぜ人気?」と特集を組んだ
では、実際にLOPIAは台湾でどのくらいの店舗を展開し、どのくらいの売上を上げているのでしょうか?
今回は台湾メディアの分析に基づきLOPIA台湾の成功についてまとめました。
【目次】
ロピア台湾の勢いがすごい
まず、実際のロピア台湾の成長を数値で見ていきましょう。

2023年に台湾1号店が台中にできてからというもの、2025年11月現在までに9店舗に増えていきます。また、2026年2月には台南MITSUI OUTLET PARK店の開業も予定されています。商業週刊によると、この9店舗という数字は「台湾のデパート内スーパー」の業界で2位となります。他社スーパーは20年以上の時間をかけて現在の店舗数と地位を築いたのに対し、ロピア台湾はたったの3年で業界2位に食い込みました。これは驚くべき早さだと述べています。

ロピアの1店舗あたりの売上は日本国内だと年40億円規模と言われ、これは一般的なスーパーの2倍以上と言われています。台湾でも同等、あるいはそれ以上の売上を見込んでいるそうです。商業週刊によると、ロピア台湾の1店舗ごとの売上は「台湾のデパート内スーパー」の業界では他社に比べて3〜5倍多いとのことです。
なお、ロピアはグループ全体で2031年度までにグループ売上2兆円・300店舗を達成するという目標があります。これはアジア全域への出店により達成する予定です。(台湾は海外進出の最初の国です。)
台湾でロピアが大人気の理由
①日本の店舗を100%再現!
台湾のロピアに足を踏み入れると分かりますが、日本のスーパーとまるっきり同じ雰囲気です。

商品のPOPは日本語表記そのままであり、値札にも「お買得」という日本語がそのまま残っています。日本人としては現地語訳をした方がいいと思ってしまいますが、意外にも台湾人は「日本のスーパーで買い物しているような体験」を求めていたのかもしれません。日本旅行が大好きな台湾人のニーズを捉えています。

お寿司も日本のスーパーのトレーをそのまま使用しており、「お買得品」という日本語もそのまま使用しています。台湾のスーパーでは見られない異国風の陳列風景が台湾人を魅了します。

寿司、鰻丼、焼き鳥など、台湾のスーパーでは見られない日本のお惣菜も充実しています。台湾は日本食ブームでもあり、お惣菜もがっちり台湾人の心をつかんでいます。
②台湾人のニーズにマッチした肉の量(無駄をなくす高利益体制も整えている)
台湾人は食に「量」を求める傾向があります。ロピアはもともと精肉店であり、台湾の店舗でも大量のお肉を安く販売しています。こうしたロピアの精肉店としての特徴が台湾人の量を求めるニーズにうまくマッチしました。
さらに、ロピアは元々が精肉店だった経験から豚肉の部位ごとの使い道を熟知しており、切り落としや端肉も無駄にせずソーセージ、ハム、ハンバーグ、コロッケなどの日本風のお惣菜に加工して販売しています。こうした無駄をなくす体制により高利益率を実現しています。
③各店舗ごとに大きな裁量があり地域ごとのマーケティングをしている
台湾のビジネスニュースサイト「Tech Orange」によると、ロピアは店舗運営において“個店主義”を貫いているとのことです。各店舗、各部門の責任者がまるで小さな店のオーナーのように高い裁量権を持ち、商品陳列や販促戦略を自分で決定できます。仕入れ商品や価格設定までも店舗ごとに異なり、地域の消費習慣に合わせた柔軟な運営が可能なため、他のチェーンスーパーとの差別化につながっているのです。
たとえばLOPIA高雄店の生鮮コーナーでは地元のニーズに合わせて新鮮な輸入海産物を多く取り扱い、台湾の食文化に沿った惣菜商品を企画しています。こうしたローカライズ戦略により台湾進出直後から大きな注目を集め、地元住民のニーズを満たしてきました。
ネット上の顧客満足度
最後にこちらのネット記事にまとめられていたネットユーザーの声をまとめました。
新鮮・豊富な商品のラインナップ
多くの口コミや記事において、「商品が新鮮」「種類が豊富」「日本風の惣菜が充実」「輸入菓子の種類が多い」と答え、高い評価を与えています。「高品質の生鮮食材、焼きたてパン、日本風のデザート、限定のお菓子など、日本風の商品がたくさんある」として多くの消費者が満足しています。
合理的な価格・高コスパ
ライバルの日系スーパーや台湾のローカルスーパーと比べ、「合理的な価格」「日本の高品質と安価の両立」がSNSやレビュー、記事内でもリピーターを生み出す要因として言及されています。特に「高品質のお肉やお惣菜がお手頃」「イベント時の割引、特売なども良心的」との声もありました。
臨場感ある試食サービスや独自イベント
顧客満足度を高める施策として、「無料の氷の提供」「現場での焼きたての肉の試食」「キャラクターによるイベント」など店舗ごとの特徴的なサービスが挙げられており、「ショッピングしていて楽しい」「家族連れでも満足できる」などの声が目立ちます。
現場従業員の優れたサービス
一部の記事やSNSの口コミでは「スタッフの態度が親切」「現場対応が迅速」「日本風の細やかなサービス」が顧客満足の理由としてあがっています。店舗責任者の裁量が高く、現場での快適なショッピング体験が消費者の満足度を支えています。
改善点・課題
「人気商品はすぐ売り切れる」「混雑時はレジが混む」「会員制度がない」など一部改善の余地も見受けられますが、総じて満足という評価が優勢です。
結論
中国語の現地記事・口コミでは、商品の新鮮さ・種類、合理的価格、日本風の独特のショッピング体験、親切なサービスなどがLOPIA台湾の顧客満足度を高めている主な要素として繰り返し取り上げられています。デメリットも指摘されるも、全体として非常に高い満足度が評価されています。