ここ数年、台湾のポテトチップスメーカーが奇抜な味のポテトチップスを販売して話題を呼んでいます。
これは「お好み焼き味」とか「ケバブ味」のようなレベルの “変わった味” ではありません。台湾では日本の市場では成立しないような本当に奇抜な味がたくさん販売されているのです。また、こうした奇抜な味は売り上げもよく、SNSやニュースメディアでも話題を呼んでいます。
今回は「日本でならちょっと厳しいんじゃないか?」と思うような台湾の奇抜な味のポテトチップスとプロモーションを紹介していきます。
【目次】
台湾で本当に発売された「奇抜な味のポテトチップス」
では、実際に台湾でどのような味のポテトチップスが販売されたのでしょうか?
この段落では過去の事例をご紹介します。
①ドリアン味のポテトチップス
この投稿をInstagramで見る
まず、なんと言っても最初にご紹介したいのが「ドリアン味のポテトチップス」です。
「樂事 Lay’s」というメーカーから販売された味であり、コンビニで購入することができました。
ネット上で食べた人の感想を見てみると・・・
けっこう強烈なドリアン臭がし、食べ終わった後も口の中にドリアン臭がずっと残ってるとのこと。
しかし不思議と不味いという意見はなく、もう一度購入してもいいと考えている人もいるほどでした。
南国台湾だからこそ受け入れられる特殊な味と言えるでしょう。
②パイナップルケーキ味のポテトチップス
この投稿をInstagramで見る
次に紹介するのが「パイナップルケーキ味のポテトチップス」です。
「波的多」というシリーズの商品となります。
パイナップルケーキと言えば台湾を代表するスイーツ(お土産)です。
そんなスイーツがポテトチップスのフレーバーになったということで一時台湾社会で話題と混乱を巻き起こしました(笑)
食べたことがある人によるとこちらもしっかりとパイナップルケーキの風味がするとのこと。
しかし意外にも違和感はなく普通に完食できてしまうのだとか。
ネット上の評判を見ると不味いわけでも特別美味しいわけでもないようですが、話題を生むには十分すぎる商品でした。
③ピータン味のポテトチップス
この投稿をInstagramで見る
ピータンとは強いアルカリ性の条件下で熟成させた独特の風味がある黒い色をした加工卵です。
日本では本格的な中華料理店で食べることができますが、あまり一般的な食品ではないですよね。
しかし台湾では普段からよく食べられる一般的な食品です。
日常的な食材がポテトチップスになったとのことで台湾で話題となりました。
この商品は意外にも好評でみんな美味しいと言っています。
台湾人は普段からピータンを食べるので違和感なく受け入れることができたのでしょう。
しかし日本では絶対に売れなさそうなフレーバーですね。
④その他の味のポテトチップス
他にも紹介しきれないほどの商品があります。
過去にはコーヒー味、パクチー味、きゅうり味なども販売されていました。
具体的な成果
メディアは正確な成果に関する数字を発表していないものの、次の成果は確実にあったことが確認できています。
・台湾ドリトスが販売したパクチー味チップスは、カルフールの販促イベントで限定18,840袋が販売され、即完売となった。
・各種SNSで「ドリアン味のポテトチップス」「パイナップルケーキ味のポテトチップス」「ピータン味のポテトチップス」などの中国語キーワードで検索すると、万単位のバスが確認され、多くのインフルエンサーも興味本位で動画を投稿しているのが散見される。
成長する台湾のスナック食品市場
台湾の食をテーマとした情報サイト「食力 FoodNext」によると、台湾の2024年第3四半期の包装食品分野のFMCG(消費財)全体の売上は、2023年同期比で5.7%成長しました。また、市場調査機関StrategyHelixの予測によると、台湾のスナック市場は2025年から2030年にかけて年平均3.2%の成長を続ける見込みで、主な成長要因はポテトチップス、ビスケット、エナジーバーなどの健康志向の新商品に集中しています。これは、都市部で働くビジネスパーソンが「忙しくても手軽に食べたい」というニーズと「健康に配慮したい」というニーズを持っていることを如実に示しているとしています。
ポテトチップスは台湾の成長商品の一つであり人気食品の一つです。プロモーションの効果が出やすい商品と言えます。
台湾のポテトチップスメーカー、その他のプロモーション戦略
台湾のポテトチップスメーカーは奇抜な味の新商品を販売することに加えて以下のプロモーションも行っています。
スポーツイベントとコラボ
樂事(レイズ)はスポーツの大会や試合があるたびにパッケージをスポーツ仕様に変更しています。また、プリングルズは野球用語を使ったコメント企画でスポーツファン層にリーチするなどしています。
海外の異業種メーカーとコラボ
例えばカルディナはタイの梅菓子ブランドとコラボし、ドリトスは韓国の小規模クリエイティブブランドとコラボするなどし、話題を生んでいます。
オフラインイベント
ドリトスは移動フードトラックで繁華街に行き販促イベントを実施し、樂事(レイズ)はモールや繁華街で「ポテチ掴み取りイベント(※)」を開催するなどし認知度アップを図っています。
※クレーンゲームの要領でポテトチップスの商品を掴み取りできる遊具を設置。通行人が気軽に参加でき、獲得した商品を無料で持ち帰ることができる。
最後に
上で示した通り、台湾のポテトチップス業界は今後も成長が見込めます。
そのため台湾の各メーカーは話題性のある新商品の開発やプロモーションに注力しています。
具体的には以下の施策で話題性や注目を高め続けています。
奇抜で話題性のあるフレーバーで消費者の興味を引き、SNSで議論を生み出す。
異業種コラボやスポーツ大会コラボなどを通して露出と新規層を拡大する。
オフラインでの体験型イベントでブランド認知を強化。
ポテトチップスが大人気の台湾だからこそポテトチップスに関する多種多様なプロモーションが見られます。
参考記事:怪口味洋芋片爆紅祕密!香菜、榴槤到咖啡,品牌如何用獵奇行銷炒出話題聲量?(i-Buzz Research)