今回は台湾の大企業をランキング形式でご紹介します。
売上ランキングと時価総額ランキングに分けてまとめました。
台湾の大企業及び強い産業を知るには便利なデータです。
台湾経済に興味がある方はぜひご覧ください。
【目次】
台湾大企業ランキング【売上編】
順位 | 企業名 | 2023年2月の売上 (百万/台湾元) |
業界 | 証券コード |
1 | 鴻海(フォックスコン) | 402,035 | 製造業(PCなどのOEM) | 2317 |
2 | 台積電(TSMC) | 163,174 | 製造業(半導体) | 2330 |
3 | 和碩 | 92,255 | 製造業(PCなどのOEM) | 4938 |
4 | 廣達 | 83,351 | 製造業(PCなどのOEM) | 2382 |
5 | 仁寶 | 66,983 | 製造業(PCなどのOEM) | 2324 |
6 | 台塑化 | 63,164 | エネルギー(石油) | 6505 |
7 | 緯創 | 62,066 | 製造業(PCなどのODM) | 3231 |
8 | 大聯大 | 45,293 | 商社(半導体関連部品) | 3702 |
9 | 統一 | 40,664 | 食品メーカー・小売・サービス・流通 | 1216 |
10 | 日月光 | 39,984 | 製造業(半導体) | 3711 |
1位:鴻海(フォックスコン)
正式名称は「鴻海科技集団」で、英語名は「Foxconn Technology Group」です。
新竹市に本社を構える大手製造業会社であり、代表者は郭台銘です。
日本ではシャープを買収したことでも知られています。
世界最大級のOEM (受託製造)業者であり、Apple、ヒューレットパッカード、デル、任天堂、ソニー、マイクロソフト、ノキア、ソフトバンクなどの製品を製造しています。
2位:台積電(TSMC)
正式名称は「台湾積体電路製造股份有限公司」で、英語名は「Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.(略称:TSMC)」です。
新竹市のサイエンスパーク内に本社を構える世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)です。
利益率が高いことで知られており、2022年10〜12月は粗利率62%、営業利益率52%という驚異的な数字を叩き出しました。
日本では熊本に新たな生産拠点を開設し、雇用増加や高待遇で話題になっています。
TSMCが製造したウェハを用いた顧客の製品は主に、補聴器、スマートフォン、クラウドデータセンター、人工衛星、科学機器、宇宙船などに採用されています。
3位:和碩(ペガトロン)
正式名称は「和碩聯合科技股份有限公司」で、英語名は「Pegatron Corporation」です。
台北市に本社を構える台湾大手のOEM業者です。
主にAppleからiPhoneやiPadの生産を受託しています。
2020年には米フォーチューン誌にて世界500大企業の269位に選ばれています。
4位:廣達(クアンタ・コンピュータ)
正式名称は「廣達電腦」で、英語名は「Quanta Computer」です。
桃園市に本社を構える台湾の大手OEMパソコンメーカーです。
主にデル、ヒューレットパッカード、Apple、ソニー、東芝、富士通、シャープのPCを受託製造しています。
5位:仁寶(コンパル・エレクトロニクス)
正式名称は「仁寶電腦工業股份有限公司」で、英語名は「Compal Electronics, Inc.」です。
台北市に本社を構える台湾の大手OEMパソコンメーカーです。
ノートパソコンの市場規模では4位の廣達と世界トップを争っています。
デル、東芝、エイサーなどのPC、東芝の液晶テレビ、モトローラの携帯電話を主に製造しています。
6位:台塑化(フォルモサ・ペトロケミカル)
正式名称は「台塑石化股份有限公司」で、英語名は「Formosa Petrochemical Corporation」です。
雲林県に本社を構える台湾唯一の民間石油精製業者です。
主に石油製品、石化基本原料の生産・販売事業を行っています。
2019年には米フォーチューン誌にて世界500大企業の492位に選ばれています。
7位:緯創(ウィストロン)
正式名称は「緯創資通股份有限公司」で、英語名は「Wistron Corporation」です。
新竹市に本社を構える大手ODM(受託設計製造)の会社です。
主にノートパソコン、デスクトップ、サーバー、ストレージ、LCDディスプレイ、ハンドヘルドデバイス、医療用デバイス・機器など、情報通信技術(ICT)製品の設計製造を専門としています。
8位:大聯大(WPG)
正式名称は「大聯大控股」で、英語名は「WPG Holdings」です。
台北市に本社を構える半導体商社です。
半導体関連部品の商社としては世界最大規模であり、日本ではそこまで知名度が高くないものの、世界に強力な販売網を構築しています。
9位:統一(とういつ)
正式名称は「統一企業」で、英語名は「Uni-President Enterprises Corporation」です。
台南市に本社を置く食品製造・食品加工・流通・小売などのグループ企業です。
統一は海外ブランドの国内展開を得意としており、台湾国内のセブンイレブン、スターバックス、無印良品などを経営しています。
また、台湾のプロ野球球団「統一ライオンズ」も保有しています。
10位:日月光(にちげつこう)
正式名称は「日月光投資控股股份有限公司」で、英語名は「ASE Technology Holding Co., Ltd」です。
高雄市に本社を構える半導体の後工程(封止・検査)分野の世界大手です。
中国、韓国、日本、マレーシア、シンガポール、メキシコ、アメリカ、ヨーロッパの各都市に拠点があります。
台湾大企業ランキング【時価総額編】
続いて時価総額ベースで台湾の大企業ランキングを見てみましょう。
売上ベースのランキングと顔ぶれが違うことが分かります。
なお、時価総額は株価の変動により変化するため、このランキングは一時的なものとなります。
(数ヶ月後にはランキングが大きく入れ替わっている可能性があることをご了承ください。)
順位 | 企業名 | 2023年3月14日の時価総額 (億/台湾元) |
業界 | 証券コード |
1 | 台積電(TSMC) | 132244.94 | 製造業(半導体) | 2330 |
2 | 鴻海(フォックスコン) | 14140.25 | 製造業(PCなどのOEM) | 2317 |
3 | 聯發科 | 12171.64 | 製造業(半導体) | 2454 |
4 | 中華電信 | 9115.00 | 通信 | 2412 |
5 | 台塑化 | 7830.34 | エネルギー(石油) | 6505 |
6 | 台達電子工業 | 7403.00 | 製造業(電子機器) | 2308 |
7 | 富邦金融 | 7028.09 | 金融 | 2881 |
8 | 聯華電子 | 6339.91 | 製造業(半導体) | 2303 |
9 | 國泰金融 | 6095.06 | 金融 | 2882 |
10 | 南亞塑膠工業 | 5876.74 | 製造業(化学) | 1303 |
1位:台積電(TSMC)
売上編をご参照ください。
2位:鴻海(フォックスコン)
売上編をご参照ください。
3位:聯發科(メディアテック)
正式名称は「聯發科技股份有限公司」で、英語名は「MediaTek Inc.」です。
新竹市に本社を構える半導体のファブレスメーカー(工場を持たないメーカー)です。
携帯電話、デジタルテレビ、光ディスクデバイス用の半導体を設計しています。
4位:中華電信(ちゅうか でんしん)
正式名称は「中華電信股份有限公司」で、英語名は「Chunghwa Telecom Co., Ltd.」です。
台北市に本社を構える台湾最大の電気通信事業者です。
元は国営企業であり、1990年代の台湾民主化にともない1997年に株式の一般公開がされました。
現在でも株式の50%を政府が所有しています。
日本でいうNTTのような存在であり、固定電話、移動電話、インターネットなどの事業を主に手がけています。
5位:台塑化(フォルモサ・ペトロケミカル)
売上編をご参照ください。
6位:台達電子工業(デルタ電子)
正式名称は「台達電子工業股份有限公司」で、英語名は「Delta Electronics, Inc.」です。
台北市に本社を置く、電源とトランスシステムに特化した電子機器メーカーです。
現在はAppleとテスラの電源コンポーネントに関する主要サプライヤーとなっています。
7位:富邦金融(フーボン・フィナンシャル)
正式名称は「富邦金融控股股份有限公司」で、英語名は「Fubon Financial Holding Co., Ltd.」です。
台北市に本社を構える大手金融グループです。
傘下には台北富邦商業銀行、富邦産物保険 、富邦人寿保険、富邦綜合証券、富邦投資信託など様々な金融関連会社があります。
8位:聯華電子(UMC)
正式名称は「聯華電子股份有限公司」で、英語名は「United Microelectronics Corp.」です。
新竹市に本社を構える半導体製造ファウンドリです。
半導体受託製造の世界シェアはトップ3を争う規模であり、台湾のTSMC、ドイツ・シンガポールのGLOBALFOUNDRIES等と競合しています。
9位:國泰金融(キャセイ・フィナンシャル)
正式名称は「國泰金融控股股份有限公司」で、英語名は「Cathay Financial Holdings Co., Ltd.」です。
台北市に本社を構える大手金融グループです。
「國泰(キャセイ)」という名前がついていますが、香港のキャセイパシフィック航空とは資本関係など無い完全なる別会社です。
傘下には国泰世華商業銀行、国泰人寿、国泰世紀産物保険、国泰綜合証券、国泰投信など様々な金融関連会社があります。
10位:南亞塑膠工業(ナンヤ・プラスチック)
正式名称は「南亞塑膠工業股份有限公司」で、英語名は「Nan Ya Plastics Corporation」です。
高雄市に本社を構える大手の化学メーカーです。
主に石化製品、電子材料、ポリエステル繊維製品、電気配電盤などを製造しています。
まとめ
イメージ通り、やはり台湾には半導体関連の企業が多いことが分かりました。
また、こちらもイメージ通りですが、日本や欧米のメーカーの受託製造(OEM)をしている企業も多いです。
「顧客は日本や欧米にあり、工場と社員は中国にある」というビジネスモデルであり、先進国の強いブランド力や販売力と、中国の低い人件費や言語が通じる点を最大限に利用しています。
また、時価総額ランク関しては、「4位:中華電信(通信業)」「7位:富邦金融(金融業)」「9位:國泰金融(金融業)」のような売上ランクとは違った顔ぶれも見られます。
時価総額の高い企業は株価が高い企業です。通信や金融のような安定した高配当企業は台湾でも投資家から人気ということなのでしょう。
参考資料:https://statementdog.com/screeners/revenues_ranking
参考資料:https://accessibility.twse.com.tw/zh/listed/ranking.html