台湾の巨大なベジタリアンのマーケット。話題の植物肉のスタートアップも紹介

コラム 台湾

台湾の巨大なベジタリアンマーケットについて。話題の植物肉関連のスタートアップも

皆さんは台湾といえば何を思い浮かべるでしょうか?小籠包、半導体、親日、屋台街・・・etc、いろいろ思い浮かぶものがあると思います。しかし今回はこれらのイメージとは異なる台湾の意外な側面をご紹介します。それは「台湾のベジタリアン文化」です。

台湾にはもともと宗教的な理由でベジタリアン料理の巨大なマーケットが存在します。そして、近年は植物肉関連のスタートアップや植物肉を採用する外食店が増えているなど、大きな盛り上がりを見せています。よって今回は台湾のベジタリアン文化および近年の新たな動きが理解できるようまとめました。ぜひご参考になさってください。

 

台湾の巨大なベジタリアンマーケット

2019年の調査によると、台湾の菜食主義者の数は約300万人にのぼり、実に総人口の約13%であることが分かっています。また、市場規模は約600億NTD(約3,000億円)であり、台湾全土で約6,000のベジタリアンレストランがあります。台湾でベジタリアン文化がこれほど根付いている理由としては、仏教思想、環境志向、健康意識などが考えられます。いずれにせよ日本よりも確実に大きなマーケットが存在していることは確かです。

参考資料:Taiwan food service industry embraces vegetarianism

参考資料:Global Plant-Based Trend: Preserving the Integrity of Whole Foods

参考資料:Plant-based meat development in Taiwan

 

台湾の大手チェーン店も積極的にベジタリアン商品を採用

台湾でベジタリアン料理を提供する店は個人経営の店にとどまらず、大手チェーンも積極的に提供しています。例えば、セブンイレブンやファミリーマートを見てみても、ベジタリアン関連の商品が多いことが分かります。それらの商品のパッケージには「全素」や「蛋奶素」などの表記があり、パスタ、おにぎり、サンドイッチ、お惣菜類など幅広い商品がベジタリアン仕様になっています。また、台湾全土に店舗があるカフェチェーンの「路易莎咖啡」も植物肉のハンバーガーを販売しています。

台湾では大手チェーン店もベジタリアンメニューを積極的に採用するほどベジタリアンが多いのです。

 

台湾ではベジタリアン料理関連のフードテックスタートアップが誕生している

こうした大手チェーンへの展開を下支えしているのが、台湾発のフードテック企業の存在です。台湾人技術者であるJen-Yu Huang博士とMichelle Lee博士が共同で設立した「Lypid」は、食品会社や外食企業向けの植物油を開発しています。

これまでの植物肉は「脂のジューシーさ」が欠如していることが課題でした。つまり、肉っぽいジューシーな美味しさがなく、やはりどこか簡素で美味しくない料理になってしまっていたのです。しかしLypidは植物性脂肪「PhytoFat™」を開発し動物性脂肪のような質感の実現に成功しました。これにより焼き上げた瞬間に脂が溢れ出し口の中でとろけるような「肉としての旨味」を再現したのです。

そこで、Lypidが開発した植物性脂肪「PhytoFat™」にいち早く目をつけたのが先ほども取り上げたカフェチェーンの「路易莎咖啡」です。路易莎咖啡はPhytoFat™を取り入れ、植物肉ハンバーガーの味を改善しました。実際に食べた人からの評判はよく、売り上げも順調とのことです。台湾にはもともとベジタリアン料理のマーケットが存在するので既存の加工技術や物流網を利用して新たなテクノロジーを実装するスピードも速いのです。

参考資料:黃銘賢的健身法寶!路易莎推植物肉三明治,秘方來自台灣新創Lypid

参考資料:大量生産の準備が整ったヴィーガン用脂肪のスタートアップLypidが400万米ドルをシードラウンドで調達

 

台湾には老舗のベジタリアン食品の企業もある

台湾のベジタリアン食品関連企業はスタートアップだけでなく老舗企業も存在します。「Vegefarm(ベジファーム)」はヴィーガン対応の海老、ステーキ、チキン、ツナ等、バラエティー豊かなベジタリアン商品を飲食店・小売店向けに展開する老舗企業です。

Vegefarmは台湾市場で長期に渡りベジタリアン商品を製造・販売してきた経験を活かし、現在はヨーロッパ、中東、東南アジアなどにも進出を試みています。これらの地域には宗教的な理由で肉を食べない人がいるため、ベジタリアン食品は非常に相性がいい商品と言えます。

参考資料:海外ベジニュース Vol37 台湾発ヴィーガン食品メーカー「Vegefarm」が世界展開を目指す

 

台湾で広がりを見せるベジタリアン向けのイベント

台湾ではベジタリアン関連のイベントも多く催されています。

例えば、2026年1月には台湾中部の台中で「Asia Vegan Festival 2026」というイベントが行われました。台湾中からベジタリアン料理のレストランが集まり、美味しい料理を振舞いました。このイベントには日本や韓国のお店も出店しており、国境を超えた交流が行われています。

台湾ではこうしたイベントが各地で行われています。このことからも台湾人のベジタリアン人口の多さとベジタリアン料理への関心の高さがうかがえます。

参考資料:Asia Vegan Festival 2026 スケジュール / Schedule 2026

 

最後に

台湾にはもともとベジタリアン市場があり、台湾国内で力をつけた食品会社やフードテック企業が中東や東南アジアなどベジタリアン料理のニーズがある地域への進出を図っています。台湾企業はベジタリアン食品業界という比較的ニッチな分野で海外シェアを広げており、こうした動きは日本国内からはなかなか見えにくいため、興味深い動向と言えるでしょう。

また、今後世界の人口増加や栄養不足などの社会問題を解決するという観点から見ても、ベジタリアン食品は大きな可能性を秘めています。今回は台湾ベジタリアン食品業界の動向とポテンシャルについてお伝えしました。

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