最近、台湾で話題になっているカフェチェーン店があります。
その名も「フラッシュコーヒー(Flash Coffee)」です。
フラッシュコーヒーは2020年1月にシンガポールで創業した新しい企業です。
2021年末までにアジア9カ国で計300店舗を展開することを目標にしています。
フラッシュコーヒーの最大の特徴はITテクノロジーを駆使した営業戦略です。
アプリでのチケット販売、配達サービスとの連携、ネットプロモーションなど、既存のカフェにはない仕組みを採用しています。
台湾はすでにカフェが多く、加えてドリンクスタンドやコンビニも多いです。
競争が激しい台湾においてフラッシュコーヒーはどう営業するのでしょうか。
今回は台湾メディアの記事を参照しつつフラッシュコーヒーについてまとめました。
【目次】
目標:アジアの大都市において500メートルおきに店舗がある状態を目指す!
台北MRTの行天宮駅を出てすぐに目を引く鮮やかな黄色いカフェがあります。
カウンターには赤い文字で大きく「Flash Coffee」と書かれており、相当目立つデザインになっています。
シンガポールから来たフラッシュコーヒーは東南アジアの若者(20〜35歳)をターゲットに、中レベルの価格帯のハイクオリティなコーヒーを販売しています。
今年4月に融資を受けた後、毎週5店舗のペースで新店舗を開き、7つの国(台湾、香港、日本、韓国、マレーシア、ベトナム、フィリピン)に展開するという目標を打ち出しました。
現在フラッシュコーヒーは東南アジア地区に合計100店舗近くありますが、将来的にはアジアの主要都市にて500メートルおきに1店舗ある状態を目指しており、「アジア最大のカフェチェーン」になることを目標にしています。
台湾では2021年8月23日に1店舗目を正式オープンさせました。台湾にはスターバックス、ルイーザコーヒー、cama cafeなどの大手チェーン店がすでにあり、これに加えて台湾のコンビニは世界で2番目の出店密度を誇っており、市場はすでに成熟していると考えられています。
これに対しフラッシュコーヒーの台湾総経理(台湾支社長)は「市場は確かに成熟しているが、成長の余地はまだまだある」と述べています。
台湾でシェアを伸ばす鍵はスピード!1週間に1店舗出店!
フラッシュコーヒーは東南アジア地区でシェアを伸ばすために素早く店舗を増やすことを重視しています。
台湾においては全て直営の方式を採用し、1週間で1店舗のペースで、2021年末までに30店舗を出店し、2022年の中頃には50店舗を達成することを目標にしています。
Grab-and-Goというネット上で予約を受け付けて快速でお客様に商品を届ける体制を整えています。また、店舗は一般的なカフェの1/3〜1/5ほどであり、10坪以下の広さで、最小規模の店舗に至っては店員1名での営業を予定しています。店舗面積が小さいので家賃も安く、店内の改装に費用も時間もかからないので、素早く店舗を増やすことができます。
台湾総経理(支社長)曰く、まずは台湾北部の若者をターゲットにし、その後はホワイトカラーの若者が多いオフィスエリアや学校周辺を中心に台湾中南部への進出を計画しているそうです。
ITを利用した営業戦略。アプリでコーヒーチケット購入が可能。
台湾ではアプリを通してコーヒーを買いだめし、飲みたいときに近場の店舗を訪れて好きな数のコーヒーを受け取るという習慣が既にあります。
例えば、ファミリーマートはアプリ上でコーヒーチケットを販売しており、どの店舗でもコーヒーを受け取れるようにしています。その結果、ファミリーマートではコーヒーチケットがコーヒーの売り上げ全体の4割を占めるようになりました。
フラッシュコーヒーもこの方式を採用していつでも素早くコーヒーが飲めるようにしています。
また、「センサーテクノロジー」を使用して在庫数と注文購入を完全に自動化しています。
これにより迅速な標準化と拡張が可能になり、バリスタのレベルも向上します。
若者の心をくすぐるようなコーヒー界のNikeを目指す
多くの消費者がブランドイメージからNikeを選ぶように、フラッシュコーヒーも若者から選ばれるブランドを確立することを目標にしています。
台湾総経理(支社長)は「かっこよくて、クレイジーで、流行の最先端をいくようなブランドイメージ」と語っています。
パームシュガーを使ったラテやタイミルクティのような東南アジアらしいメニューを揃え、また、様々なブランドとのコラボも進めるなど、他とは「敢えて異なる」態度をとることを大切にしています。
Flash Coffee公式サイト:https://flash-coffee.com
参照記事:https://www.bnext.com.tw/article/64660/flash-coffee-taiwan