中国のダブル11(W11 / 双11)とダブル12(W12 / 双12)は同じ“双子”でもこんなにも違う!

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 中国の独身の日である「ダブル11(W11 / 双11)」、ご存知の方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。以前のコラム「独身のパワー全開!?中国第11回の11・11(ダブルイレブン)が盛り上がる理由!」でご紹介させていただいたように、「ダブル11」は中国年間最大のネット通販セールイベントであり、2018年11月11日、一日の取引額は1日で2135億元(約3.5兆円)にのぼり、そして今年の11月12日午前0時までに、取引増額は2684億元(約4.2兆円)を突破し、前年比25.7%増となりました。毎年のように規模が拡大するダブル11は、中国企業に止まらず、海外企業にとっても特別な存在となっています。
*1元=約16円

 しかし、中国ではこんな「ダブル11」以外にも、「ダブル12」も存在していることを皆さんご存知でしょうか。「ダブル12」とは名の通り、12月12日に行うネット通販セール日であり、タオバオが2011年から主催した「ダブル11」の延長線上のイベントです。言い換えるとすれば、「ダブル12」は、「ダブル11」の思いがけない成功に、「ダブル11」という奇跡をもう一つを作ろうと引き起こされたアリババの野望による産物と言えます。そのため「ダブル11」よりは二年ほど遅れてスタートしました。

 「ダブル11」と「ダブル12」はほぼ同じの名称から、近い実施時期まで、一見「双子」のようなセールイベントだと思われがちなので、「ダブル12」の存在意義は常に問われています。しかし、実際のところはこの二つのネット通販セールは全然違うものだと認識していただきたいです。以下は、「ダブル11」と「ダブル12」の間における大きな相違点について説明したいと思います。気になる方は最後までご覧ください!

■タオバオ店舗とオフラインショップを中心

 「ダブル11」に参加する店舗は天猫やタオバオなどオンラインショップを中心とするに対して、「ダブル12」はタオバオのオンラインショップとオフラインショップが参加できるというルールになっております。レストランや、スーパー、コンビニ、アパレル、ペットショップ、カラオケ、交通カード、映画館など多くのオフラインショップがその一つ一つの例です。そのため、「ダブル12」は「ダブル11」のオフライン版だとも言われてきました。これは「ダブル12」が「ダブル11」と、最も異なっている点だと言えます。アリペイ口碑綱(コウベイワン)の最近五年(2014〜2019)の具体的なデータによりますと、2014年に「ダブル12」に参加したオフラインショップは合わせて2万軒以上でしたが、2018年は200万軒までに急増しています。

■主なターゲットが幅広い年齢層に広がる

 先ほど上記でも触れたように、「ダブル12」はタオバオオンラインショップとオフラインショップを中心としたセールですが、この中ではどちらかとういうと「オフラインショップ」に重きを置いているのではないかと思います。「『ダブル11』はネット通販に、『ダブル12』はスーパーに」という中国人消費者たちの言葉のように、「ダブル12」=オフラインショップのセール日だと言ってもいいでしょう。たとえば、「支付宝(Alipay)」ではオフラインショップ用の紅包(割引券)が配布され、オフラインショップでお支払いすることで、さらに商品券が当たるチャンスがもらえたりします。このような特徴があるため、「ダブル12」のターゲットは若者から幅広い年齢層に広まってきています。むしろ、若者は「ダブル11」で既に買い物を済ませたため、「ダブル12」に興味を示さず、逆に若者以外の30代以上の方が「ダブル12」に積極的な態度を示している傾向が見られます。

「支付宝」スマホアプリによるスクリーンショット(2019/11/28)

■人気は「ダブル11」に及ばない

 「ダブル11」は中国で絶大な人気を誇っていますが、「ダブル12」はそうではありません。ここではいくつかの画像を見せながら、この人気の差を立体的に説明したいと思います。(以前の「ダブル11」に関するコラムでもう既にてあげた画像なのですが、ここでもう一度出します。)

WEIBOスマホアプリにでスクリーンショット(2019/10/21)

WEIBOスマホアプリにでスクリーンショット(2019/11/28)

 WEIBOスマホアプリでのハッシュタグ検索の結果を見てみると、「ダブル11」は48.6億回の閲覧数、1045万件のコメント、50.7万のオリジナル投稿という人気の高さを示しているのに対して、「ダブル12」の閲覧数は「ダブル11」の約27.6%しかおらず、そしてコメントは約31.9%で、オリジナル投稿数は10%もなかったようです。やはり「ダブル11」の延長線上のイベントということもあって、開催時期も近いことが「ダブル12」の人気が「ダブル11」よりも低い原因なのでしょう。また、「ダブル11」の本番までの一ヶ月前後における宣伝、そして当日の取引総額についてのリアルタイムライブ配信などが、「ダブル12」の時には全然ないことも、人気の低さを示しています。

■「ダブル11」は全世界向け、「ダブル12」は中国国内向け

上述のように、「ダブル11」は若者を中心に行う中国最大のネット通販セールイベントだと一般的に認識されており、その1日の「取引総額」が世界中の注目を集めています。また、主な目的としては、大企業やブランドの宣伝をして影響力を高め、そして国際的な市場を広げて市場シェアを奪うことなどが挙げられます。その一方、「ダブル12」は老若男女問わず全員が気軽に参加できる国民的な、「ダブル11」の延長線上のセールイベントです。世界の市場よりも、中国国内の市場そのものをしっかりと掴むのが目的です。このように、二つのイベントはそれぞれの目的を持ち、それぞれのターゲットを定め、それぞれの機能を発揮しているため、開催時期が近くても、全然影響がないと考えても良いのではないでしょうか。

「ダブル11」と「ダブル12」の相違点は以上です!参考になれば幸いです〜yami♡

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