中国、カナダ・英国に対し一方的ビザ免除を実施へ

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免除対象は50カ国に拡大、2月17日から適用

中国政府は2月15日、カナダおよび英国に対し一方的な査証(ビザ)免除措置を導入すると発表した。2026年2月17日から、両国の一般旅券所持者が商用、観光、親族・友人訪問、交流、トランジット目的で30日以内滞在する場合、ビザ取得を免除する。措置は2026年12月31日まで実施される。

今回のビザ免除は、両国首脳の訪中を受けた外交成果の一環とされる。

■英首相訪中で合意、航空便はコロナ前超え

1月下旬には英国のスターマー首相が訪中し、主要企業幹部ら約50人が同行した。発表された成果文書には、中国側が英国市民への一方的ビザ免除を前向きに検討する方針が盛り込まれていた。

航空データによると、2026年1月の中国本土―英国間の往復便数は888便と前年同月比4.7%増加し、2019年比では1.25倍となった。現在、両国間では19路線が運航され、中国本土12都市と英国3都市が結ばれている。


■カナダ路線は回復途上

英国に先立ち、1月中旬にはカナダのカーニー首相が訪中した。カナダ首相の訪中は2017年以来となる。カーニー首相は会見で、中国側がカナダ国民に対するビザ免除待遇を確保すると約束したと明らかにしていた。

一方、航空便の回復状況を見ると、中国―カナダ路線は依然としてコロナ前水準を下回る。2026年1月の往復便数は304便で前年同月比19.7%増加したが、2019年比では34.8%にとどまる。現在は9路線が運航され、中国本土6都市とカナダ2都市を結んでいる。

同路線は一時「最も冷え込んだ国際線」とも呼ばれたが、2024年10月末にカナダが中国航空会社への制限を解除し、便数が増加して以降、回復基調が続いている。

■免除対象は50カ国に拡大

中国は2025年11月、既存の一方的ビザ免除措置を2026年末まで延長しており、今回のカナダ、英国の追加により対象国は計50カ国となった。

ビザ免除拡大はインバウンド(訪中観光)の一段の押し上げにつながるとみられる。国家移民管理局によると、2025年の出入境者数は6億9700万人で前年比14.2%増と過去最高を記録。このうち外国人は8203万人(同26.4%増)で、ビザ免除による入国者は3008万人と全体の73.1%を占め、前年比49.5%増加した。

■今後の焦点

ビザ免除の拡大は、中国が国際往来の正常化と対外関係の安定化を重視している姿勢を示すものといえる。特に英国との航空便が既にコロナ前水準を上回る一方、カナダ路線は回復途上にあり、政策効果の差も注目される。

今後は、航空便のさらなる増便や決済・観光インフラの利便性向上が進むかが、訪中需要の持続的拡大を左右する要因となりそうだ。

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