台湾は日本人にとって人気の旅行先の一つです。コロナ以降、円安や物価高の影響で訪台日本人の数は減っていますが、それでも2023年は約93万人もの日本人が台湾を訪れました。
しかし、これだけ多くの日本人が旅行しているといえ、そのほとんどが台北、台中、高雄などの大都市への訪問にとどまっています。台湾は大都市以外にも素晴らしい観光地がたくさんあります。よって今回は多くの日本人が知らない魅力的な観光地をお伝えするべく「2023年に台湾人が選んだ台湾の人気観光地ランキングトップ10」をご紹介します。
記事の最後では台湾人が旅行先を選ぶ基準や好みについても触れています。この文章が皆様の参考になれば幸いです。
2023年度、台湾人が選んだ台湾の人気観光地ランキングトップ10
今回は2023年度に台湾ヤフー(雅虎奇摩)で多く検索された台湾国内の観光地を10箇所ご紹介します。
⑩大溪老街(桃園市)
十位にランクインしたのは台湾北部にある古い街並み「大溪老街」です。
この歴史あるエリアには日本統治時代に建てられた多くの街並みが今も残っています。お土産屋さんや屋台が多く出店しており、豆干、月餅、ピーナッツキャンディ、豆花、碗粿、湯圓などのグルメを楽しむことができます。ここは郊外型の観光地ではありますが、台北から比較的アクセスが良いため、日本人観光客にもオススメです。
行き方:桃園駅または中壢駅からバス
⑨阿里山(南投県)
九位にランクインしたのは台湾中部の高山「阿里山」です。
阿里山は標高2000メートル以上あり、台湾では珍しい涼しいスポットです。そのため、夏でも上着を必ず持って行く必要があります。
山頂には遊歩道や森林鉄道があり、巨木の中を周遊することができます。また、山頂付近の民宿に泊まって日の出を鑑賞するアクティビティも人気です。
行き方:台北や嘉義からバス
⑧馬祖(馬祖列島)
八位にランクインしたのは中国大陸と台湾の間にある離島「馬祖」です。
馬祖は中国大陸から約10kmしか離れておらず、福建省の文化が色濃く残っています。台湾本島とは異なる街並みや文化が楽しめ、台湾人でも異国感を感じずにはいられないスポットです。また、多くの自然景観も有しています。当然ですが日本からの直行便はなく、台湾国内の空港か港から行くしかないため、日本人にとっては行きにくいスポットです。
行き方:台湾国内の空港から国内線で50分、基隆港からフェリーで8〜10時間
⑦南庄老街(苗栗県)
七位にランクインしたのは台湾中部郊外にある「南庄老街」です。
南庄老街は日本統治時代に繁栄した台湾中部の古い街並みです。狭い路地には古い家屋が立ち並んでおり、お土産屋さんや飲食店で賑わっています。南庄老街で最も有名なお土産は桂花酒であり、客家人が多く生活しているため客家料理も有名です。ほか、古い郵便局、永昌宮、乃木崎、南庄劇場などの観光名所もあります。
行き方:竹南駅からバスで1時間ほど
⑥烏來(新北市)
六位にランクインしたのは台湾北部にある山間の温泉地「烏來」です。
台北市内からバスで1時間ほどで行くことができるため、多くの台北人が日帰り温泉を楽しむためにここを訪れます。また、お土産屋さん、少数民族の博物館、温泉旅館などが立ち並んでおり、ちょっとした町歩きも楽しむことができます。ここは台北から比較的簡単に訪れることができるため日本人にもオススメです。
行き方:台北市内からバスで1時間ほど
⑤司馬庫斯(新竹県)
五位にランクインしたのは台湾北部の山中にある少数民族の集落「司馬庫斯」です。
司馬庫斯は台湾北部に位置しており、台北から車で4時間ほどの山奥にあります。ハイキングコースや登山コースがあり、山の景色、動植物、渓谷や岩石などの特殊な地形を鑑賞することができます。また、少数民族の集落も残っており、少数民族の料理を楽しむことができます。都会人が自然の中でリラックスするには最高のスポットです。
行き方:車かバスで、台北から4時間、新竹からは3時間
④鹿港老街(彰化県)
四位にランクインしたのは清の時代から続く古い街並み「鹿港老街」です。
鹿港老街は台湾中部に位置しており、清の時代に繁栄した港町です。今でも曲がりくねった赤レンガの小道の両側に閩南風(中国福建省南部)の古い家屋が多く残っています。古い家屋を利用したお土産屋さん、カフェ、飲食店、民宿、屋台などが多く出店しており、また遺跡も多く残っているため、何時間でも町歩きを楽しむことができます。
行き方:彰化駅からバスで30分ほど
③墾丁(屏東県)
三位にランクインしたのは台湾最南端に位置するビーチリゾート「墾丁」です。
墾丁は台湾最大のビーチリゾートです。素晴らしい景観が楽しめる以外に、龍磐公園、鵝鑾鼻灯台(鵝鑾鼻公園)、水蛙窟大草原、社頂自然公園、墾丁大街(夜市)、墾丁南湾、屏東海生館(水族館)などの観光スポットがあります。また、リゾートホテルがいくつもあり、なかには大規模な5つ星ホテルもあります。ここは、例えるなら日本人にとっての沖縄のような存在であり、多くの台湾人がビーチリゾートを楽しみに訪れます。
行き方:高雄か屏東から長距離バスで2時間半
②小琉球(屏東県)
二位にランクインしたのは台湾南部にある離島「小琉球」です。
台湾の数少ない離島の一つである小琉球は、一年を通じて気候が温暖で心地よく、素晴らしい自然景観が楽しめることで知られています。島の面積は小さいですが、バイクや自転車をレンタルして島を周遊するにはちょうど良いサイズであり、島のあちこちにビーチや洞窟など観光できるスポットがあります。また、近年は若者受けするオシャレな民宿やホテルも増えており、リゾート気分も味わえることで知られています。
行き方:高雄もしくは屏東からバスで東港へ行き、船で20分ほど
①日月潭(南投県)
一位にランクインしたのは台中中部にある「日月潭」です。
日月潭は湖であり、北半分は太陽のような形をしており、南半分は三日月の形をしているため、「日月潭」という名が付けられました。また、ここは台湾でも珍しい現役のダムでもあります。日月潭は絵画のような霧やグラデーションがはっきりした山々の景色があり、船で湖を周遊したり、湖畔のサイクリングロードを走ったり、古いお土産横丁を観光することができます。また、湖畔を眺めることができるホテルも多数あり、多くの台湾人が湖の景色を楽しみます。
行き方:台中市内からバスで1時間半ほど
まとめ。台湾人が好む観光地は?
台湾は人口密度が高く、多くの人が都市部に住んでいるため、自然が豊かな観光地を選ぶ傾向があります。この傾向は、台湾人が日本旅行をする際に北海道、沖縄、黒部立山、白川郷(合掌造り)、銀山温泉などを目的地に選ぶことからも分かります。
また、台湾人にとっては「食」も重要な要素の一つです。台湾人は日本人以上に食事を重視しており、もちろん一概には言えませんが、一般的には食べる量は日本人より多いと言われています。よって、美味しい地元グルメがある観光地は台湾人にとってより魅力的に映ります。
参考資料:台湾基礎データ|外務省