2019-06-05

中国独自のバレンタイン「520」はカップルたちが“大暴れ”!?

中国マーケットを知るための中国コラム。今回は中国における新しい潮流である「520」というバレンタインデーについての紹介です。市場への影響も大きくなってきています。

 みなさん、「520の日」をご存知ですか。日本には存在していないので、知らない方が多いのではないかと思います。「520の日」=「5月20日」=「中国独自のネットバレンタインデー」であり、若者の活動や消費活動に大きな特徴がある日になっています。

 その由来は、「520(wǔ èr líng)」の発音と「あなたを愛している」という意味の「我爱你(wǒ ài nǐ)」の発音が似ているという理由です。元々中国では日本同様2月14日にバレンタインデーはあるのですが、上記の理由から5月20日もバレンタインデーとして現在若者に大人気の日になっています。

 ここからは、中国のネットバレンタイン、そしてそれが中国にもたらした影響について、詳細に説明したいと思います。

1、 日本のバレンタインとは違う風景
2、 SNSのwechatまで変化が発生
3、 ネット通販から実店舗まで、大幅な割引
4、 全国各地で結婚ブーム

1、 日本のバレンタインとは違う風景

日本でバレンタインと言えば、「女性が好きな男性に、チョコをあげる」というイメージが圧倒的に強いのではないでしょうか。
しかし、中国では、2月14日の本番バレンタインでも、5月20日のネットバレンタインでも、いずれも彼女が彼氏からプレゼントをもらうのは普通だと思ってください。

もちろん、ケースバイケースですが、彼氏の誕生日以外の記念日は、ほとんど彼氏がプレゼントを用意しています。
割り勘が主流の日本において、あまりにもひどい話に聞こえるかもしれませんが、中国男子にとって、「女性にお金を払わせるのは男らしくないぞ」、ということなのです。

なので、中国人カップルに対して、お金は基本的に男性側が全額を払うのが当たり前なことになっています。
ここでは、両国の文化的な違いだと思って、ノーコメントにしましょう。

ちなみに、中国では、毎月の14日はいずれもバレンタインでして、さらに、毎月のバレンタインが綺麗な名称までもつけられています。
中国男子にとって、かなりの出費になりそうですね(笑)

でも、彼女とちゃんと毎月ラブラブに祝っているカップルがいないとは言い切れませんが、ほとんどの人にとって、年に12回のバレンタインはあくまでも一つのネタにすぎませんので、中国人の彼女が欲しいと思っている方はご心配いりませんよ。笑

2、 SNSのwechatまで変化が発生

中国のWechat=日本のLINEです。

主に相手との連絡とお金、特に「红包」でのやりとりに使われています。
「红包」というのは見慣れていない言葉かもしれないので、「520」がwechatにもたらした変化を説明する前に、「红包」についても、簡単に触れたいと思います。

「红包」とは、春節のときに年配者が子供にあげる「お年玉」の事です。
昔の「红包」は確かにそういう意味にしか使われていませんでしたが、現在では「お年玉」のほかに、「ご祝儀」や「ボーナス」、「お小遣い」という意味も含まれています。

キャッシュレス化が急速に発展されていくに連れて、wechatの「红包」機能が多用されるようになりました。
しかし、この「红包」は「520」になんの関係があるの?と疑問に思っている方は多いでしょう。

先ほど申し上げたように、「红包」には、お祝いに送る「ご祝儀」という意味があります。
カップルの記念日のときに、男性がプレゼントのほかにも、「ご祝儀」(と言ったら、違和感が半端ないですけど)、つまり「红包」を彼女に送るのです。
そして、金額はいつも記念日の数字とぴったり合わせることが通常です。
例えば、5月20日のネットバレンタインに、<520元>を彼女に送る、などです。

しかし、「红包」を送るには、一回に<200元>までという上限が設置されています。
もちろん、送金という手もありますが、それだとただのお金のやりとりになって、彼女への愛、そして記念日を祝う気持ちを彼女のところに届けることができなくなってしまいます。

そこでどうにかして欲しい、という声が上がりました。そして、その声に応じて、今年から、wechatで一つの変化が見られました。

5月20日の00:00-23:59に限って、「红包」の上限が<520元>に上ったのです!
(去年も<800元>にあげたことがあります)wechatを使わない人にとっては、つまらない話ですが、一応中国の豆知識として見てください。笑

3、 ネット通販から実店舗まで、大幅な割引

中国に詳しい方なら、中国で買い物と言ったら、まず「淘宝/天猫/京东」といった楽天のようなECサイトでしょう。ネット上の商品販売も5月20日は盛り上がって好調だったようです。早速、これらのサイトの割引状況をチェックしましょう。


天猫では、靴・服など、なんと5割引きも!?


「TVショッピング×淘宝のコラボ」! 
5.20当日に、最初の5分間に注文した方に限り、199元(約3300円)の会計に、100元(1600円)の割引付き!つまり、5割引!


5.20当日、全商品8割引まで!!


5.20イベンド
800元のお会計に288元の商品券をおまけに!
さらにプレゼントもついてくる!?

… …

紹介したら、きりがありません!全国民的なネットバレンタインに、競争の激しい業界、ECサイトの各店舗も張り切って割引をやっていたようですね!
続いて、実店舗の様子はどうでしょう。実に気になりますね。




写真通りに、街中の各店舗も続々と「520割引」をやっております!

「知らない店舗ばっかりじゃん?」と思う方もいるかも知れないので、ここでは、中国の「魔都」と呼ばれる上海のショッピングモールを例として、「520割引」はどれほど盛り上がっていたかを紹介します。

上海 匯金百貨虹橋店

上海にある有名なショッピングモールの各店舗で行われている「520イベント」は、どのうなものがあったのかを見ていきます。


(中国の2折=日本の8割引、7折=3割引…ということです)

これらから分かるように各店大幅に値引きをしていたことが分かります。
このように5月20日はネット通販から実店舗まで多くの場所で、大幅値引き合戦が繰り広げられていました。

4、全国各地で結婚ブーム

「520」という特別な日で、恋人と特別な思い出を作りたいという気持ちは理解できなくはありません。

例えば、片思いの人だったら、好きな人に告白したり、すでに恋人同士の二人だったら、サプライズプレゼントを用意したり、夜景のいいレストランで一緒にディナーを食べたりするのはいいですね。

しかし、中国のカップルたちは、それだけだと満足できず、なんと5月20日に婚姻届を出すカップルの数は思った以上に膨大でした。これからは具体的なデータを用いて、このカップルの「520・大暴れ」の正体を明かしましょう!(以下のデータはネット上、主に「百度」のネット新聞情報によるものであります。)

江夏(こうか/えなつ :中国の地名。 江夏区 – 湖北省武漢市に属する区)では、2019.05.20に、15時間以内に、357組のカップルから婚姻届を受理!

済南市(さいなんし/チーナンし。中国山東省に位置する副省級市)では1819組のカップルが婚姻届を提出!2.14以降に、もう一つの結婚ブーム!

青島市(チンタオし、せいとうし。中国山東省に位置する主要な港湾都市)では、5.20と5.21(注)を合わせて、3545組のカップルが婚姻届を提出、夫婦に!
注:5.21と「我爱你(愛している)」の発音にも相似しています。(けど、5.20ほどの相似程度ではない)

揚州市(ようしゅうし。中国江蘇省に位置する地級市)では、5月20日に1418組のカップルが婚姻届を!

などなど、各地で非常に多くの婚姻届が提出された様子が伺えます。

以上が中国独自のバレンタイン「520」についての紹介でした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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