2017-07-19

中国のシェア自転車の急増は最先端技術による社会の課題解決型サービスだ

先日、上海に出張に行った際に、話題のシェア自転車(自転車シェアリング)の急増を目の当たりにしました。

シェア自転車はスマホアプリで自転車を探し、乗る自転車に貼っているQRコードをアプリで読み込み、決済、その後乗り捨て、施錠まで完結するスマホと連動した自転車レンタルサービスです。

先日、最大手のモバイク(Mobike、摩拝単車)は中国とシンガポール、イギリスでシェア自転車サービスを展開していたが、ついに日本にも進出の発表がありました。

上海の街の至る所に設置されており、今や自転車で移動する人の殆どが利用していました。ざっと見る限り、個人所有と思われる自転車に乗っている人は、1割もいないのでは、という印象です。

シェア自転車のある道路
シェア自転車

半年前には全く目にしなかったこのシェア自転車、各所で記事が書かれているので、今更感あるのですが、現地で見てきた感覚や現地の人に聞いた情報などを元に、ここにまとめておきたいと思います。

■社会問題解決型サービス

言わずと知れたモビリティ社会である中国。そこには大きな問題がいくつもありました。

・放置自転車問題
・盗難問題
・損壊問題
・景観問題
・車渋滞問題
・空気汚染問題

少数の自転車を多数でシェアすることで、これらを一気に解決した(解決に向かっている)、と言われています。

少し補足すると「盗難問題」「損壊問題」「景観問題」については、利用状況を元に個人の信用情報にスコアが付けられ、そのスコアを行政が把握、他のサービス利用時に活用されるようになっています。そのため、ルール外の利用や損害を与えるような利用をすると、利用者の信用スコアが悪化し、他のサービスの利用ができない(例えばローンを組めない、ホテルに泊まれない等)という状況になるため、マナーよく利用されるようになっています。
社会の信用を高めるため、個人のマナーを向上させよう、それをIT技術を活用し各社と行政がタッグを組んで仕組み化した、という背景があります。

また、「車渋滞問題」「空気汚染問題」については、シェア自転車の搭乗によりちょっとした移動を今まではタクシーを使っていたのが、多くがシェア自転車に変わってきていることにより、車渋滞の緩和、それにより空気汚染問題の解消の一助となるだろうと言われています。

※バイクについては、随分前から電気バイクがかなり普及しています。後ろや道の脇から突然バイクが出てきてびっくりする、というのを何度も経験しました。
※車についても、電気自動車の開発やベンチャーなどが元気で、今後国内で大きく普及するのでは、とも言われています。

上記のように、既存の中国国内の社会問題を解決し、国民のマナー向上、国の信用を高めるため、技術革新、最先端技術の活用、官民の協力などがダイナミックに進んでいる現在の中国の状況を端的に表しているサービスが、シェア自転車と言えるかと思います。

■利用データの利活用

シェア自転車の利用により、GPSでの移動情報を個人に紐付いて取得することができます。

これらのデータは需要予測をし、自転車の配置や自転車移動、生産計画などの自社サービス改善に活用されるだけでなく、混雑緩和のための政策や街づくりにも利用されるであろう、と言われています。
将来に向けても役に立てるサービスという位置づけになっています。より住みやすい、生活しやすい街づくりの貴重な基礎データになるであろうと思われます。

■ビジネス面での可能性

現状では投資は非常に盛んに行われているようです。大手のモバイク(Mobike、摩拝単車)は累計資金調達額は現時点で9億2500万ドルに達しているとも言われています。ただ、まだ投資段階という位置づけのようで収益化の目処は立っていない様子でした。

1回あたりの利用金額が0.5元(約8円)程度からと低額のため、より規模を持たせる必要があるため、中国国内だけでなく、多くの国への進出も積極的に行っているようです。ここは今後どのように収益化をしてくのか要注目です。

■まとめ

日本でイメージするレンタルできる自転車とは全く異次元のサービスであるのが、少しおわかりいただけたかと思います。

現存する多くの課題の解決、今後より良い社会を作るためのデータ収集と提供、仕組み化、そしてそれらを旺盛な投資、資金力、行政がバックアップし、一気にスピード感を持って進んでいるのが、シェア自転車のサービスです。

このサービスが今後、社会に与える影響(マナー向上、環境改善、信用向上)、ビジネス面での収益化、それらがどのように推移・変化していくのか、要注目と言えるかと思います。

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